2020年1月13日
住まいのアンチエイジングを考える
私達人間も老化していくのと同じ様に建物も徐々に老化していくものです。
人の老化の原因は、よく酸化(錆)と糖化(焦げ)と言われていますが、建物の老化の原因は何でしょう。
外部や設備は、紫外線や酸性雨・湿気や気温の変化・耐用年数などによる経年劣化にくわえて、日常のメンテナンスの不備が主な要因ですが、目に見えない構造や断熱については、やはり湿気や結露の影響が大きく、それに伴うカビや腐朽菌・シロアリなどが大きな要因となります。
特に目に見えない床下や壁の中・小屋裏の劣化は、構造材の腐朽により耐震性が低下したり、断熱性能の低下によって、住み心地も悪くなり、病を引き起こしたり、光熱費も上昇し、資産価値の低下をも招いてしまいます。
よく、築10年位のお客様が、建てた当初よりも寒くなったとか暑くなったとか、結露するようになったとか、カビ臭くなった・光熱費がかかるようになったというような相談をよく受けます。
何とも悩ましい相談ですが、原因は明らかです。
一つ目の原因は、気密性能の低下です。構造材の収縮や気密フイルムの破れやビス穴が広がってしまい家の隙間が大きくなったということです。
もう一つは、断熱性能の低下となります。
これも構造材の収縮が原因にもなりますが、収縮した分、断熱材との隙間が広がり、断熱されていない欠損分が生じてしまうのです。
そして、壁体内の湿気や壁体内結露によって、断熱材に水分が含まれてしまい、断熱材そのものの性能も低下し、カビが大量に発生し、室内の空気環境まで悪化してしまうのです。
その他にも、サッシのパッキンなどの摩耗や換気や冷暖房のメンテナンス不良なども考えられますが、いずれにしても、気密性能と断熱性能の低下が主な原因となります。
対策は、難しいようですが、理屈さえわかればそんなに難しいことではありません。
〇 収縮やねじれ・割れの生じにくい構造材(木材)含水率の低い乾燥材を使用する。
〇 断熱施工を隙間やよれ・たわみの出ないように、確実な施工をすること。
〇 湿気や水に、強い断熱材を使用し、Q値(熱損失係数)1.5以下にすること。
〇 防湿施工と気密施工を確実に実施して、C値(すき間相当面積)1.0以下の住宅にすること。
〇 計画換気は、熱交換タイプの第一種換気を使用する。
〇 窓や玄関ドアの断熱性能の高いものを使用する。
以上が、建物施工時の注意点となりますが、日々の生活にもちょっとした工夫や改善が必要です。
〇 出来るだけオープンな暮らしを心がけ家中の温度差を2℃~3℃以内に抑える
〇 換気は、常時運転し、適切なメンテナンスを実施する
〇 水蒸気を発生させたり、空気を汚すファンヒーターは使用しない。
〇 室内干しの場合は、早く乾いて、換気がスムーズに図れる場所で乾かす。
〇 冬の過乾燥・夏の高湿度に気を付けて、室内の湿度を、冬40%~夏60%台の維持を心がける。
ざっと上げると、こんなところですが、家の性能と暮らし方のバランスさえしっかり取れていれば、家の劣化を最小限に抑え耐久性は飛躍的に向上します。
つまり、何が一番大事かと言えば、湿気や結露を防ぐ住まいと暮らし方が、住まいの老化防止には一番重要なのです。
そして、大東住宅の家は、上記に挙げた暮らし方が、どんな家よりも安易にコントロール出来て、しかも省エネで、長期間にわたりその性能が保持できるのです。
「いつまでも強く・いつまでも快適に」住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も次の世代に価値ある資産として引き継げる長寿命の住宅となり、新築時の若さを保つアンチエイジングな住まいということをご理解いただければ幸いです。
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