2019年1月30日
C値(気密性能)が重要な理由
家の隙間相当面積を表すC値という住宅の気密性能は、家の住み心地や光熱費はもちろん、換気性能であったり、耐震性や耐久性・さらには人の健康まで大きく左右する重要な数値です。
しかしながら、施工コストの問題や施工の難しさもあって、出来るだけ触れられたくない要素で、全棟気密測定を実施している住宅会社はごく少数です。
「住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・施工の解説」 というテキストには、 気密性能を確保しなければならない4つの理由は、しっかりと明記されています。
1.漏気負荷を減らし省エネルギー化と室内温度環境の快適性向上を図る
2、壁内通気を抑制し断熱性能の低下を防止する
3.壁内結露を防止する
4.計画換気の性能を保持する。
公的機関が、建築のプロ向けに解説したテキストなので、表現が固くわかりづらいと思いますが、簡単にいうと
1.隙間をなくして、光熱費をおさえながら温度差も少ない住み心地のいい家にするため
2.壁の中への、空気と湿気の出入りを抑え、断熱性能の低下を防止するため
3.壁内での内部結露を抑えて、構造躯体の腐朽や蟻害を防止し、家を長持ちさせるため
4.換気を、計画どうりに機能させ、室内の空気環境をよくして健康を維持するため
つまり、気密性能を確保しなければ
暖房や冷房が効かず不快な上に、冷暖房費が年々かさむようになり、壁の中はカビだらけとなり、空気が淀み、建物も住む人も病気になりますよ。
ということで、改正省エネ基準では、義務化は削除されましたが、造り手の責任として確実に実施して下さい。
と明記されているのです。
一昨年10月、環境省の高断熱・高気密住宅の推進を図るための「省エネ住宅大使」として、タレントの壇蜜さんが起用されました。
高断熱の断と高気密の密をもじっての壇蜜さんの起用ですが、国でも、省エネで健康な住宅にするには、断熱と気密は両輪だということは十分に理解し、消費者にも伝えているのです。
15年位前は、高気密・高断熱住宅は、ユーザーにも大分認知されるようになり、高気・高断とか高高住宅という名称で呼ばれ、広がりを見せていたのですが、名ばかりで性能が追いつかない会社によるトラブルも多く、住宅業界では、高気密という名称は、造るのも売るのにも面倒で、何かとトラブルも多いことから、高気密という表現は避ける様になり、いつしか高性能住宅とか省エネ住宅と呼ぶようになり、最近ではZEH(ゼロエネルギーハウス)という表現が一般的となり、時代は20年前に遡った感さえしています。
経済が優先される資本主義の中、住宅に限らず、全ての商品・サービスには、メリットもあれば、デメリットもあり、表の部分と裏に隠された真実があるのです。
つまり、消費者は、正しい情報や知識をもった消費行動をすることが大事で、誤った考えによってもたらされる被害や事故は、結果的に自己責任という認識も必要なのです。
雨漏りは瑕疵保険の対象ですが、結露によって、家が腐れ、白蟻にやられても、手抜きや欠陥工事とはならず、何の保証も瑕疵保険すら適用除外となっているのです。
結露で、カビやダニが繁殖し、消臭剤や芳香剤・防カビ剤や防虫剤を多用し、アレルギーやシックハウス・化学物質過敏症を発症しても、苦しむのはご自身であり、大事な家族なのです。
気密がいいからこそ換気が正しく機能し、湿気や結露も抑え、空気がキレイになり、省エネで快適に暮らせるので、気密が悪い家(中途半端)な住宅こそ、空気が淀み、冷暖房効率も悪くなり、光熱費が嵩み、水蒸気が悪さをして、窓などの表面結露ばかりか、内部結露の危険性が高まり、人と建物の健康を阻害し、病気になりやすく、家の耐久性まで失われてしまうのです。
どこで建てるにしても、気密・断熱・換気のバランスが何より重要ですが、高性能や省エネ・健康というからには、気密が、1丁目の1番地ですので、依頼するメーカーに、最低でもC値1.0以下の施工を依頼し、測定し、確認することが重要なポイントとなります。
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