2018年12月13日
日本の窓は、先進国で最低レベル
日本は、家の断熱同様、窓の性能も先進国の中で最低レベルで、お隣の中国よりも性能の低い窓の性能基準です。
ようやく、樹脂窓枠のペアガラスやトリプルガラスが普及してきましたが、まだ7割以上の住宅がアルミサッシの単板ガラスかペアガラスです。
新築住宅の窓の断熱基準ですが、宮城では3地域となっており、U値(熱貫流率)が3.49でもOKです。
さすがに、これでは断熱性能が低いということで、その1ランク上の基準の窓(樹脂とアルミの複合の窓枠にペアガラス+LOW-E)が多くのハウスメーカーで標準になっており、この基準が4スターとして、基準では最高等級になっています。
数値だけみても、ピンとこないと思いますので、簡単に説明すると、U値というのは、熱貫流率を表す数値ですが、外と内の温度差1℃あたりの窓面積1㎡の1時間に逃げる熱量をWで表したものです。
120㎡(36.5坪)位の建物ですと、概ね30㎡前後が窓の面積となりますが、この面積にU値と温度差をかけると、その家の窓から逃げる熱量の目安が分かります。
例えば、室内が20℃で外が0℃だとして、アルミサッシの1枚ガラスだと
6.51(U値)×30(窓大きさ)×20(内外温度差)=3906となりますが、1時間で3906Wの熱が、窓から失われることになります。3906Wというと4KW(12畳から14畳)のエアコンの容量分の熱が逃げるということで、部屋も暖まらないばかりか、光熱費が莫大になるのがおわかりになると思います。
この様にして計算すると
4.65(アルミのペアガラス)の場合は、2790W
2.23(アルミと樹脂の複合+LO-E)の場合は、1338W
となり、U値が低ければ低いほど熱損失量がすくなくなるのがお分かりになると思います。
窓の性能は、家の寒さや結露・カーテンや床の汚れや傷み・カビの大きな要因で、快適さや光熱費にも大きく影響を及ぼします。
画像は、世界の窓の種別のグラフですが、ほとんどの国で樹脂や木製が主流なのに対して、まだ日本では、まだ10%にも満たず、普及が進んでいないのがわかると思います。
ちなみに断熱の意識の高い北海道では、アパートも含めほとんどの住宅で、樹脂窓が採用されています。
アルミは、木製や樹脂の1000倍も熱伝導率が高く、大半のお宅で結露が発生しますが、性能の悪い窓は、熱もお金も健康も逃げているということをご理解下さい。
そして、壁面や窓・床の表面温度が、低いと冷輻射の影響で、人の体温も奪われるので体感温度も低くなり、暖房の設定温度も高くなり、益々、光熱費が嵩みます。
日本では、いまだに新築住宅でも、アルミと樹脂の複合サッシが、主流となっておりますが、大手のサッシメーカーも樹脂の製造販売に力を入れており、急速に樹脂サッシの普及が進んでいます。
家の断熱同様、性能の悪い窓を選択すると、熱もお金も逃げて行き、快適さや健康を損ない、増えるのは結露やカビ・洗剤やカビ取り剤・消臭剤であり、掃除の煩わしさやストレスだということをご理解いただきたいと思います。
そして、弊社では、2年前から標準ですが、ガラスもペアからトリプルがあたり前の時代が、もうすぐやってきますので、くれぐれも窓の選択を間違わない様にしていただきたいと思います。
ちなみに窓のU値を1.0まで上げると、1.0×30×20=600Wとなり、家全体の窓から逃げる熱量は、ハロゲンヒーターの弱運転程度の容量となります。
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