2018年10月5日
なぜ日用品にまでこだわるのか?
お客様から、なぜ住宅会社の社長が、消臭剤や柔軟剤・石けんまでこだわるのですか~という質問が届きましたので、紹介させていただきたいと思います。
弊社では、外断熱の家づくりを通して、住む人の健康を重視した家づくりに長年取り組んでおります。
そして、健康に暮らすために、重要になる家の環境とは、キレイな空気の中で、寒い冬も暑い夏も部屋間の温度差を抑え、湿度をコントロールすることです。
室内の温度や湿度・清浄さという空気のバリアをなくすことで、寒さや暑さ・湿気や臭いに悩まないストレスフリーの住いとなり、心身ともに健康に暮らせるものと私は確信しています。
バリアフリーというと段差や手摺などをイメージする方も多いのですが、真っ先に考えなければならないのが、空気のバリアで、その上での段差や手摺・スロープなのです。
しかし、いつもお伝えしているように、家は、いくらお金をかけても、いくら無垢材や漆喰などの自然素材を使っても、建てただけで健康になるわけではなく、省エネで快適で高耐久になる魔法のような家は出来ないのです。
現代の住宅やそれぞれのライフスタイルに合った、お客様自身の住まい方や暮らし方の改善や工夫も必要なのです。
特に、ファンヒーターなどの開放系の暖房機器によって空気を汚したり、エアコンや床暖でも、部屋を閉め切っての冷暖房や間欠運転は、換気不足を招くばかりか、部屋間の温度差も生じ、湿気や結露・臭いが滞留してしまうのです。
その結果、カビやダニも繁殖し、本来、不要な漂白剤や燻蒸剤・消臭剤や芳香剤・殺虫剤や防虫剤など、さらに空気を汚してしまう日用品などを多用しざろうえない悪循環を招いてしまうのです。
隙間が大きい昔の家や年中窓を開けていた時代であれば、さほど問題はなかったのですが、中途半端に気密化や断熱化が進んだ住宅では、様々な悪影響を及ぼしてしまうのです。
そして、室内のみならず、床下や壁体内の湿気や結露によって、目に見えない部分までも、徐々に腐朽や性能の劣化が進み、家の寿命も短命となり、ややもすると住宅ローンを完済する前に、その資産価値さえ失う危険性が高くなるのです。
また、家だけ、ストレスフリーで快適な住まいになったとしても、掃除や洗濯・炊事や入浴時に使用する合成洗剤や柔軟剤を多用することは、身体にも悪影響を及ぼし健康な暮らし方とは言えません。
さらに、換気のメンテナンスや部屋干しの場所や除湿・水回りやのカビや寝具のダニ対策なども必要で、それらが不十分だと折角の健康住宅の意味も薄れてしまう可能性もあるのです。
特に、考えなければいけないのが、アレルギーの発症や症状の悪化の原因にもなる化学物質です。
私達の生活は、化学の進歩によって、便利性や快適性は向上し、ある意味衛生的に暮らせるようになりましたが、一方で、便利さや安さを求めるばかりに、健康や環境に悪影響を及ぼす危険性が高い化学物質も多く存在しているのです。
それぞれの物質の安全については、一応の基準はクリアされてはいるものの、摂取量はもとより、複合的な摂取や長期的摂取・お子さんや高齢者や体の弱い方などへの影響は、考慮されていないのが現状で、空気中や体内での化学反応によって、さらに有害な物質も生成されているということも理解しなければなりません。
故に、PRTR法が制定され、健康や環境に悪影響を及ぼす恐れのある462の化学物質を第一種指定化学物質にして、消費者に注意喚起しているのです。
建築の部材や塗料などで指針値が定められている化学物質は、わずか13物質で、私達でさえ知らない内に、代替物質の利用されているのが現状です。
そして、私達の身の回りにあるものは、天然であれ人口であれ全ては化学物質という考え方も必要で、家の中だけでも、1000種類とも2000種類とも言われる、膨大な量の化学物質に囲まれて暮らしているという認識も必要です。
つまり、いくら建築資材を吟味したところで、家の中全体の化学物質にも目を向けなければ、シックハウスや化学物質過敏症の危険性は解消しないともいえるのです。
合成洗剤や柔軟剤にしても、アレルギーのない健常者が、用法や用量をしっかり守り、使用する分には、問題は少ないと思いますが、洗浄力や香を強くしようとして、必要以上の量を使い、すすぎや洗浄も不十分な方も多く、今日の香害をもたらしているとも言えるのです。
特に、皮膚や肺の機能も免疫も未発達の小さなお子さんがいるご家庭では、不必要ともいえる化学物質は出来るだけ避けていただきたいのです。
こうした化学物質は、アレルギーだけの問題ではなく、神経細胞にも影響がある物質も少なくなく、子どもの成長過程において、発達障害などの二次的障害や将来の生殖機能への影響や高齢者の肺機能の低下や精神疾患・認知症などの影響も、考慮していただきたいのです。
そして、行き過ぎた香ブームによって、香害被害に苦しんでいる化学物質過敏症患者数は、潜在患者も含めると700万人とも1000万人とも言われており、こうした方々にも十分な配慮が、必要な時代でもあるのです。
3.11の震災の原発事故による放射能については、その危険性について、様々問題視されましたが、その度に、私達は、直ちに健康に影響しないという言葉を何度も聞かされました。
しかし、その後の状況はどうでしょう。
本来は、放射能の問題や世界一多いといわれる日本の食品添加物・油や農薬・GM作物などにも言及したいところですが、食品や飲料水は、体内で分解され、デトックスも可能な側面や、そこまで踏み込むと何かと差し障りもあるので、極力控えさせていただいております。
しかし、呼吸や経皮吸収によって、体内に取り入れられる化学物質は、せいぜい汗からしか排出されないために、徐々に体内に蓄積され、いつ何時、発症するかはわからないのです。
実際、すでに発症している方でも、疲れや寝不足・更年期や老化とされてしまうケースも多々あり、不要な薬剤を投与され、症状が改善せずに、益々悪化してしまうケースも少なくありません。
時折、社長は面倒な難しい話ばかりすると、社員や知人からも指摘されることもありますが、私自身、アレルギー持ちではありますが、本来、神経質でも、マニアックな人間でもありません。
ただ、健康を第一に考えている住宅会社の代表者として、住まいや住まい方と健康との関係については、どの住宅会社の経営者より、勉強しているつもりです。
その中で、有益と思われる知識や情報を、日々出会う方々や私のブログをご覧いただく皆さんに、正しく伝えていくことも、私の役割ではないかと考えている次第です。
暮らしの中で、化学物質をなくすことは、到底無理な話で、上手に付き合うことも大事なのですが、表向きは安心・安全といいながらも、危険性の伴う物質も数多く存在し、そうした物質は、出来る限り避けなければならないのです。
経済優先のこの世の中において、消費者にはなかなか知らされることのない不都合な真実が、無数にありますが、耳触りのいい言葉だけを鵜呑みにせずに、裏に隠されたデメリットも理解した上で、バランスの取れた選択が求められており、何事も、最終的には、自己責任という考え方も必要な時代ではないでしょうか。
私には、二人の娘がいて、ともに成人しましたが、子どもの頃は、私の無知によって、アトピーにしてしまい、娘にも家内にも大分苦労をかけてしまいました。
また、初めて紹介しますが、私の母も、60の若さで、ヒートショックによって、脳溢血を患い、14年も寝たきり状態にしてしまったことを、今さらながらとても後悔しています。
まだ若く、身体の丈夫なうちは、寒かろうが暑かろうが、換気が悪かろうが、多少の化学物質でも、自身の免疫や気力・体力でカバー出来ます。
そして、たとえ病気になっても薬や手術によって治療も可能だと思いますが、人にとって一番重要なのが、自身の免疫力であり、自然の治癒力ではないでしょうか。
しかし、小さなお子さんや高齢者にとって、空気の汚れや温度差は、確実に身体にダメージを与えることは、アレルギー患者数の増加やヒートショックの発生件数を鑑みれば明らかではないでしょうか。
化学物質による健康被害は様々で、単なるアレルギーならいざ知らず、症状が化学物質過敏症まで進むと、日常の生活が非常に困難となるほど大変な病なのです。
私は、化学物質過敏症患者の方々とも交流があり、色々な悩みや相談を受けるのですが、専門医も少なく、有効な治療法がない現状の中で、想像を絶する苦痛に日々苛まされているのです。
そして、ヒートショックによってもたらされる事故も、深刻な問題で、幸い命が助かったにしても、その後の後遺症によって、本人はもとより、ご家族や周囲の方々に、肉体的にも精神的にも経済面においても、多くの負担をかけてしまうということをリアルに考えていただきたいのです。
ナイチンゲールは、病気の半分は空気の汚れと身体の冷えが引き起こすと著書「看護覚え書」
で説いています。
縁あって、私が出会う皆さんには、こうした後悔をしていただきたくないという想いで、日々、ブログも書かせていただいているということをご理解いただければ幸いです。
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