2018年5月31日
危険なイソシアネートがウレタン断熱に!
香害=香りによる害は、最近マスコミなどでも取り上げられるようになってきましたが、消臭剤や芳香剤・柔軟剤などによる化学物質による、健康被害が急増しているようで、公共機関や病院などにも香料自粛のポスターを随分と見かける様になりました。
化学物質過敏症に苦しむCS患者は、現在国内で100万人いるとされていますが、予備軍も含めると1000万人以上いると言われています。
体内に取り込める化学物質の許容量は、人それぞれですが、ひとたび許容量をオーバーすると、原因不明の咳や頭痛、目眩やしびれ・倦怠感など様々な健康障害に襲われ、日常の生活が困難に成る程、重症化する怖い病気です。
消臭や除菌の為に、シュッシュしたり、部屋干しの嫌な臭いを軽減するために、柔軟剤や香料の強い洗剤を使いたくなる気持ちもわかりますが、使用することで、ご自身やご家族の体を知らず知らずのうちに、蝕んでいるという事も、正しく理解しなければなりません。
現代に生きる私達は、水や食料・空気も含め、様々な化学物質に囲まれて生活しており、全てを取り除いた生活は不可能ですが、出来るだけ取り入れない生活と家の中の空気を綺麗に保つための換気が必要です。
特に、妊婦の方や、小さなお子さんのいる家庭では、十分に注意が必要で、アトピーや喘息・食物アレルギー・花粉症・発達障害など、様々な影響を及ぼす危険性があり、私達の生殖機能にも関わってくるそうです。
いずれにしても、基本は出来るだけ使わない、やむなく使う場合でも、容量や使用法を守り、室内に化学物質が充満しないような、換気を心がけるしかありません。
そして、柔軟剤や制汗剤・香水など、私達が無意識に発する臭いによって、辛い思いをしているCS患者の皆さんがたくさんいらっしゃるということも、理解しなければなりません。
こうした製品には、洗剤などにも義務づけられている、家庭用品品質表示法にも該当しないため、原材料の表示義務はなく、業界の自主基準により一部表記されているだけに過ぎず、身体に有害な物質がどれほど含有されているか消費者には、明示されていないのが現状です。
しかし、臭いを閉じ込めるマイクロカプセル製品に、海外では非常に規制の厳しいイソシアネートという物質が含まれているのです。
マイクロカプセルの主成分がイソシアネートで、この物質が非常に有害だというのですが、日本では、環境省の規制物質にも該当せず、ありとあらゆるウレタン製品に含まれ、実質、何の規制もなく使用されているのです。
詳しくは、イソシアネート危険性とでも検索していただければ、色々でてきますので関心のある方は調べていただればと思います。
ということで、前置きが長くなってしまいましたが、私がお伝えしたいのは、住宅の断熱材としても、最近よく利用されているウレタン系の断熱材の健康に与える影響です。
建築業界では、ホルムアルデヒドなどの規制物質が含まれていないということで、無制限に使える安心な資材となっており、断熱性能を上げるために、壁や小屋裏にウレタンを発泡させる断熱工法も多く見受けられるようになってきました。
成形品の断熱材は、危険性は少ないようですが問題は現場で発泡する断熱材です。
おそらくは、業界でも、ウレタンの主成分がイソシアネートということも、イソシアネートがどれだけ危険な物質かもわからずに使っているのが、現実ではないでしょうか。
私も、これまでは、火災時には、有毒なシアンガスが発生する位の認識しかなく、グラスウールなどの繊維系断熱材と比較すれば、隙間なく断熱できるので、施工法を間違えなければ充填断熱には適した断熱材と思っていました。
しかし、ウレタン工業会 安全の手引きの中の、施工や使用に関しての注意書を読み、これまでの考え方が一変しました。
詳しいコメントは、何かと差し障りがあるので、控えさせていただきますが、家中がイソシアネートに囲まれた住宅で、果たして健康な暮らしが確保できるだろうかというのが、現在の率直な思いです。
もちろん、使用するしないについては、ユーザーの皆さんの個々の判断におまかせしたいと思いますが、消費者団体の皆さんは、危険な物質と叫び、片や建築の世界では安全となっている、この国の矛盾に憤りを感じる今日この頃です。
イソシアネートは、住宅の塗料などに含まれているVOCとして、指針値の定められているトルエンの1万倍の毒性とも言われております。
ウレタン断熱の採用を検討なされている方は、くれぐれもご注意下さい。
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