2018年3月14日
有識者が語る躯体内通気の効果①
夏季の冷房負荷の低減と構造躯体の耐久性向上をもたらすソーラーサーキットの二重通気システムですが、各方面の有識者からも高い評価を受けておりますので一部紹介させていただきます。
ご紹介するのは、東京大学生産技術研究所の加藤信介教授のお話ですが、加藤教授は、壁体内通気住宅の性能向上に関する研究の中で、次のような評価をしています。
※ 所属する(一社)自然エネ活用住宅普及協会活協のリーフレットからの引用です。
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「壁体内通気工法に関して」
断熱材の室内側の壁体内通気を取る建築工法は、床下の空気が室内の仕上げ面と断熱材の間の空気層を通るため、室内の仕上げ面の温度を床下空間の空気によりコントロールする事が可能になります。
床下は日射が当たりません。地盤の温度は一般にその場所の年の平均温度になると言われています。
すなわち、夏は外気温より低く冬は外気温より高くなります。床下の空気はこの地盤に夏は冷却され冬は加熱されます。
夏は外気より温度が低く、冬は外気より温度の高いこの床下の空気を、室内側の通気層に通してあげれば、それだけ夏の冷房のエネルギーや冬の暖房エネルギーを削減できます。
今回、解析した例は限られますが、夏場の冷房エネルギーを15%近く削減できる可能性が確認出来ました。
これは断熱材の室内側の壁体内通気を取る建築工法が地中熱を有効に利用できる可能性を示すもので、解析を担当したものとしても喜ばしいことと思っています。また、この壁体内通気をとる建築工法は、結露などにともなう壁体の腐朽防止にも極めて有効と考えられます。
詳しい研究結果はこちらをご覧ください。
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