2017年12月24日
同時吸排レンジフード採用率の低さにビックリポン!
先日、コンセントボックスからの隙間風の記事をアップした時に、ご紹介した同時吸排型のレンジフードですが、翌日、弊社と取引のある2社の住宅設備メーカーがたまたま事務所に来たので、同時吸排型レンジフードの採用率を確認してみました。
http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=446692
感覚的に60%くらいかなと思っていたのですが、ナント2社ともにせいぜい3%~5%ではないかというのです。そしてT社の担当者がいうには、担当している工務店やハウスメーカーが20社ほどある中で、標準で同時吸排を採用しているのは、大東さんだけですということでした。
前回もご説明しましたが、レンジの排気量は、1時間当たり400立米から600立米あり、とても大きいので、排気に見合う分の空気を給気するための措置が必要で、同時吸排型のレンジかキッチンのそばに専用の給気グリルの設置が必要です。
こうした対策が取られない建物では、レンジの換気をつけるたびに、換気システムの吸気口や家中の隙間から空気を引っ張り込んでしまうのです。
※ 勝手口にガラリ付のドアをつけ、換気を回す時はガラリをあけて下さいというメーカーもありますが、気密性や断熱性が低いので?です。
一番空気を引っ張りやすいのが、キッチンに隣接するダイニングやリビング周辺の隙間で、換気の給気口や窓サッシ・コンセントなどの、外壁側に面している場所から、空気を引っ張るので、入居者がいる場所を冷たい空気がまともに通過するので、寒く不快でもあり暖房の効率も低下してしまいます。
そうすると、ついつい換気も不十分となり、調理の臭いや生活臭が家中に漂い、ニオイ対策でファブリーズを使い、逆に健康を害してしまうという悪循環さえ生まれてしまいます。
こうした状況から、空気清浄機の需要も増加しているのですが、清浄機は室内の空気を循環して、空気中の汚れ成分を吸着するだけで換気機能はないということを理解しなければなりません。
こうしたことは、高気密・高断熱住宅を真剣に手掛ける造り手の間では常識であり、弊社では、20年以上も前から同時吸排型のレンジフードは標準仕様で、特にPRすらしていない当たり前のことでした。
その当たり前だと思っていた、同時吸排のレンジフードの採用率がわずか5%未満という事実は、ある意味衝撃的なことでした。
費用的に、5万~6万のコストを削減するために、採用していないのだとは思いますが、これでは、いくら省エネ基準を満たしているといっても、ユーザーが満足する省エネで快適な住宅はもちろん、健康な暮らしさえ実現することは出来ません。
レンジフードの問題は、寒い冬だけの問題ではありません。
年中使うのがレンジですので、その他の季節においても、同じ現象が起こり、春先には花粉や黄砂・PM2.5 や粉塵にまみれた空気が入り込み、梅雨や夏には湿気を含んだ空気や熱い空気が、レンジを使うたびに大量に室内へ流入してしまい、カビやダニの繁殖につながり、室内空気が汚染され、アレルギーを初め様々な病気を引き起こしてしまいます。
いくら除湿しても、空気清浄機があっても、家の中の空気は綺麗にならず、結果、消臭剤や芳香剤・柔軟剤や防虫剤などを多用することになり、健康へも悪影響を及ぼしてしまうのです。
たかがレンジフードと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、とても重要なポイントです。
気密や断熱同様、レンジの換気なども、ユーザーが求めなければ、疎かにされてしまう部分ですので、新築を計画中の方は、くれぐれもご注意ください。
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