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床暖房の考え方

床暖房についてのお問い合わせも多いのでご説明させていただきます。

寒い冬でも、足元が暖かく快適な床暖房ですが、リビングやダイニングなどの部分的な設置は、ともかくとして、全館暖房として、家全体に設置する場合は、十分な検討が必要です。

床暖房は、立ち上がりが遅く、部屋が暖まるまで時間を要するために、その使用については、24時間連続運転が基本となり、家の断熱性能や床暖房の種類によって、ランニングコストにも、相当な差が生じます。

全館暖房として計画する場合は、通常床面積の最低80%には、敷設しなければならず、(40坪の住宅であれば約30坪)結構なイニシャルコストが必要となります。

また案外見落としがちなのが、固定資産の評価額も上がり、不動産取得税や固定資産税なども増加することで、床暖房のランニングコストにプラスして、税金アップも考慮する必要があります。

また、季節の変わり目に短時間使用したり、夏場の冷房や除湿の為に、エアコンも設置しなければならず、二重のイニシャルコストが必要です。

注意しなければならないのが、温度の設定や調整で、特にご年配の方は慣れるまでが大変で、省エネで快適に利用しているお客様はそう多くはないのが現状です。

宮城の気候を考えれば、床暖房での、全館暖房の適した期間は、約3カ月から多くて4か月かと思います。

確かに、断熱性能の高い住宅に設置すれば、冬期間のランニングコストも5万円位で収まるかもしれませんが、イニシャルコストやメンテナンス費用、税金のアップ分などを考慮すると、全体的なコストパフォーマンスは、決して安くはないというのが、個人的な考えです。

ちなみに、弊社の外断熱やソーラーサーキットの家は、基礎外断熱ですので、真冬でも床下温度は15℃前後で、床面の表面温度は18℃~20℃ですので、ほとんど冷たさは感じず、冬期間の暖房費も平均6万円前後(平均温度20℃の場合)で収まります。

ご予算に余裕があれば、補助暖房として、一部に使用するのは支障ございませんが、全館床暖房のメリットは少なく、正直おススメしておりません。

足元の暖かさが、物足りないという方は、ダイニングやリビングに、ラグマットを敷いていただいたり、電気カーペットを敷いていただいたほうが、経済的でもあり,インテリアとしてもグッドです。

いずれにしても、イニシャルコストやメンテナンス費用も含めたランニングコストを考慮した上での判断と、上手に使いこなせるかの検討が必要ではないでしょうか。

※ 余計な話かもしれませんが、大雨による洪水などで、浸水などの危険のある土地の低い場所では、設置は控えたほうが無難かと思います。