2017年4月16日
断熱気密のお話
今回は、断熱気密のお話です。
しばしば、断熱と保温を混同している方がいますが、断熱材とは熱の移動を
遮断するもので、保温を助けるものではありません。
断熱という名前の通り、熱を遮断することができれば、一応断熱の役目は果た
すことになります。だから断熱のための素材は雪でも氷でも何でも良いのです。
但し雪や氷の家では、壁の冷輻射で長期間の居住は無理です。
「イグルー」や「かまくら」は、断熱と気密効果の高い仮の住居空間ともいえ
ますが、長期の生活は不可能です。熱は、空気(温度)と共に移動しますから
室内の熱を逃がさない為には、空気の移動を抑える必要があります。そこで断
熱とともに気密性能が重要になります。断熱が熱の流れを遮断することであれ
ば、気密とは空気の流れを遮断することです。
簡単にいえば、断熱とは外気温に室温が影響されにくい性能です。従って断熱
と気密性能は、同じ目的を持つ一対のものと考える必要があり、どちらかが不
備でも快適に保つことは出来ないのです。
断熱材や気密材はどんな素材で造られているのでしょうか。基本的に断熱材は、
空気を閉じ込めて移動させにくい素材が選ばれます。空気は、温めにくく冷め
にくい性質があり、断熱材の中に空気を閉じ込めて、移動させないことで断熱
性能が得られます。
氷や雪の家では、冷輻射で長期間は住めないとお話しましたが、快適性が求め
られる住宅には、冷輻射を起こさない、断熱材が必要になります。昔の人々が
内部が中空のカヤやアシを住宅に使用したのは、素材の中に空気層のある植物
の快適性に気が付いていたからでしょう。
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