2024年1月19日
最高等級でも安心ではない?
画像は、長期優良住宅の認定を受けるため、第3者の評価機関より発行される設計評価書と建設評価書の表紙です。
小さな但し書きにご注目下さい。
〇 この評価書は、時間経過による変化がないことを保証するものではありません。
つまり、長期優良住宅の認定を受け、最高等級の建物でも、あくまでも、設計時や完成時の評価で、将来の性能を保証するものではないのです。
人間の身体も老化が進むように、どんな建物であれ、経年による劣化は必然ですが、出来るだけ新築時の性能を保持できる建物でなければなりません。
屋根や外壁・設備機器は、劣化により修繕や交換は簡単ですが、目に見えない部分の気密や断熱性能については、スケルトンにしなければ、簡単に補修や交換は出来ないのが現実で、この両輪とも言える性能が、劣化しないことが真の長寿命住宅には必要です。
日本の気候風土による湿気や目に見えない内部結露によって、住み心地はもちろん、耐震性も耐久性も省エネ性も著しく劣化するのは、何度もご説明させていただいたので、ご理解いただけると思います。
しかしながら、日本の悪しき習慣により、根本的な湿気対策や結露対策は、残念ながら不十分であり、湿気や結露しても腐らないかのごとく、薬剤に頼った対策が大前提となっており、薬剤の効果が、どれほど持続するのか、健康への影響はないのかなどは、実質わからないのが実状です。
木のメリットは多々ありますが、湿気や水に弱いのが最大の欠点です。
湿気に強い断熱材を基礎や柱・屋根躯体といった構造部分の外側に断熱施工するのが、外断熱です。
つまり、従来は外部環境の影響を受けていた、壁体内も室内同様の温度・湿度を保ち、結露の心配もなく、木材も常に空気に触れた状態となります。
ソーラーサーキットの家は、完全な外断熱と二重通気によって、高い気密性と断熱性が長期にわたり保持され、構造そのものが、常に空気に触れることで、木材の耐久性も飛躍的に向上し、薬剤に頼らず、新築時の性能がいつまでも保持できる本物の長寿命住宅です。
大事なのは、設計時や完成時の性能評価以上に、将来の性能なのです。
「いつまでも強く・いつまでも快適に」
住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も価値ある資産として次の世代に引き継げる住まいこそが、本物の長寿命住宅であり、長期優良住宅だということをご理解いただけると幸いです。
- 高橋一夫