2024年6月10日
必読!自然エネルギーを生かした家づくり 〈vol Ⅱ〉
ソーラーサーキット(外断熱・二重通気)の技術は、とてもシンプルで、実に理に叶った仕組みとなります。
自然の力を活用して、夏の爽やかさを生み出す仕組みを説明いたします。
家の基礎・壁・屋根の構造の外側部分を、板状の高性能断熱材ですっぽり覆い、遮熱性を高めるのと同時に、断熱材の外側に通気胴縁を取り付け、外壁材を施工することで、外壁の裏側に外部通気層(アウターサーキット)が出来ます。
通常、夏の日射を受けた外壁面の裏側は、40℃以上となりますが、この通気層によって、熱せられた空気は、自然の力で上昇し、軒裏や屋根の棟に取り付けられた通気口より、常時排出されますので、通気層内部の温度上昇を抑えることが出来るのです。
そして、断熱材と内壁との間にも内部通気層(インナーサーキット)が出来るのがおわかりでしょうか。
この通気層によって、冷やされた床下の空気が壁の中を通り、小屋裏から外へ排出するというものです。
床下の温度は、地熱の効果で、例え、外が35℃になっても、25℃以上にはならず、この冷やされた空気が壁や小屋裏の中を流れ、小屋裏に設けた排気ファンによって、壁の中の熱気や湿気を排出してくれるので、壁の中の温度上昇を抑えてくれるのです。
一般的な高断熱の家では、壁や小屋裏の中は、強い日差しと室内で発生する生活熱によって、外からも内からも温度上昇の影響を受けるので、室内はもとより壁の中や小屋裏の温度は、上昇するのは、お解りいただけると思います。
夏の暑い日に、外が涼しくなっても家の中が暑いのは、こうした躯体の中の熱ごもりが最大の原因となります。
通常は、この暑さを解消するために、エアコンが必須となりますが、あまり冷やし過ぎると、壁の中と室内の温度差によって、夏型の逆転結露が発生してしまい、断熱材が水分を吸収することで、性能の低下は勿論のこと、構造材の腐朽や蟻害が発生する危険性が高まりますので、十分な注意が必要なのです。
ふく射熱という言葉を耳にされたことがあると思います。
たとえばサウナのように壁や天井の温度が体温よりも高いと熱さを感じますが、このように体が直接触れなくても感じる熱を、ふく射熱といいます。
逆に、洞窟やトンネルのように周りが体温よりも低いと冷たさを感じると思いますが、これもふく射熱の1つで、冷ふく射といいます。
「ソーラーサーキットの家」では、外断熱で熱の侵入を抑えるとともに、壁の中の通気によって熱や湿気を外部に排出することで、壁の中の温度上昇を防ぎ、室内も暑くなりにくく、エアコンに頼りすぎることなく、扇風機でも爽やかに暮らせるという訳です。
こうした自然の力は、爽やかだとか・それほど暑くはないという程度の控えめなものでありますが、通常の高気密・高断熱と比べると、その差は歴然で、最低でも2℃~3℃は室温は低く、実際に、エアコンをほとんど使わずに暮らしている方も多く、普通サウナのような暑さになる小屋裏でさえさほど暑さを感じないのは、こうした理由なのです。
もちろん、エアコンの涼しさが好きという方は、少ないエネルギーでエアコンの効果を発揮しますので、それぞれのご家庭に合わせてご利用いただければと思います。
クールビズが、大分一般的になっていますが、28℃の温度設定では暑いという声も多く、熱中症に見舞われる方も増加しており、環境省でも、見直しの検討がされておりますが、ソーラーサーキットの家では、十分な温度設定となります。
どんなに暑がりな人でも27℃位の設定温度で十分快適で、それ以上下げると寒く感じるほどなのです。
そして、この通気層の働きは、夜間においても発揮され、寝ている間に自然に建物を冷ます効果が生まれ、早朝の室内温度も大分抑えられ、爽やかな朝を迎えることが出来るのです。
「違いのわかる夏」というのが、ソーラーサーキットの夏のキャッチコピーですが、エアコンの力に頼らず、夏も爽やかな高気密・高断熱の家。それがソーラーサーキットの家なのです。
もうすぐ梅雨に入り、じめじめとした湿気や暑さも厳しくなってきますが、是非、モデルハウスや宿泊モデルにて、ソーラーサーキットの違いの分かる夏をご体感ください。
- 高橋一夫