2024年7月18日
国産材で家を建てるのが、SDGSの一丁目の一番地
国土の67%を占める森林ですが、私達の暮らしは、森に守られていると言っても過言ではありません。
生活で排出される二酸化炭素を吸収し、洪水や渇水を防ぎ安全な水を供給するとともに、土砂の流出や自然災害からも私たちを守っているのです。
また森の土壌に、豊富に含まれるミネラル分やフルボ酸などの腐植酸が、川や海に流れることで海をキレイにかつ豊かにし、海草や魚介類が育ち、私たちの食も守っているのです。
森を守るには、下草刈りや枝打ち・間伐しながら、需要期を迎えた木を伐採し、有効に活用しなければなりませんが、日本の木材の自給率はパルプや燃料を合わせてもまだ40%と低いのが現状で、森林の荒廃化が進み、大雨や台風などの被害拡大の要因にも挙げられています。
考えなければいけないのが、円安やエネルギー高、脱炭素が進む中にあっても、輸入木材の割合が遥かに多いということです。林業従事者の人手不足や林道の整備、製材コストや流通の問題など、様々な要因が重なり、複雑な事情もございますが、国も森林税の導入による森林の整備や、木材利用促進法の制定により、公共建築物に加え、民間の低層建築物の木造化の推進に取り組んでおり、2030年までに自給率50%を目指しています。
そうした観点から鑑みると、日本におけるSDGSの一丁目の一番地が、国産木材の有効利用であり、建築材料や日用品においても、国民一人一人が国産の木を優先的に使うことが重要です。木は地球上で、唯一循環可能な貴重な資源でもあります。積極的に国産の木材を活用することは、森林の適正な維持管理や二酸化炭素の固定化にもつながり、地産地消の循環型社会の形成と地域経済の発展・そして地球温暖化防止にも繋がるのです。
21世紀に入り、現代を生きる私たちは、地球環境を重視したライフスタイルが求められる時代となりました。
木づかいは環境への最大の気遣いです。木を使って森を皆んなで守っていきましょう.。
- 高橋一夫