2013年10月6日
怖~い暖房の話
朝晩の冷え込みにより、古い家や断熱の悪い家ではそろそろ暖房を準備している方も少なくないのではないでしょうか。
暖房の種類もいろいろですが、昨今の石油高騰にも関わらず、いまだに幅を効かせているのが石油式のファンヒータだ。
しかも汚れた空気を室内に排気するタイプの機器を使用している方がいまだに多い。
こうした開放型のファンヒーターを暮らしのメイン暖房としている先進国はおそらく日本だけ。(北海道や北東北では以外に利用率は低い)
建物の断熱化が進んでいる欧米の方が、日本のファンヒーターを見たら、「オー・マイ・ゴッド」となる。
燃焼し汚れた空気を煙突もつけず室内に排気する事自体がクレージーという事だ。
ファンヒーターは一酸化炭素や窒素化合物などの有害物質に加え、強力な温風が吹き出す事で、床下のほこり・カビの胞子・ダニの死骸などを撒き散らしている。
さらに石油が燃焼した分の水分を放出する事で、ガラス面や壁・床下・天井の内部結露を引き起こし、建物まで腐らせてしまう本当に怖い暖房なのだ。
【1時間に一度十分な換気を行ってください。】とあるのは健康被害を防止する為の表示以外何物でもない。
しかし、折角部屋が暖まったのに、窓を全開にし換気をする人はどの位いるだろう。
多くは喉が痛いとか頭痛がして初めて空気の入れ替えをサッと行うだけだと思う。
健康な方ならいざ知らず、お年寄りや病弱な方、アトピーなどのアレルギーに悩ませられているお子さんがいる家庭ではタブーな暖房とも言える。(ファンヒーター+タバコの煙は最悪です!)
それでも、これまでの隙間が多い古い建物の場合、外気温と室内との温度差によって生じる、隙間換気が自然に行われているので、それほど問題にはならなかったのですが、中途半端に気密性が保たれている現代の住まいでは十分な注意が必要で、高気密・高断熱の家ではファンヒーターは厳禁だ。
人間が生きていく上で体内に取り込む物質は、食物・水分・空気で、それぞれの割合は7%・8%・85%。この85%をも占める室内空気が健康に大きな影響を与えている事を理解しなければならない。(特に家にいる時間の長い奥様や子供達)
さらに付け加えるならば、ファンヒーターを使用する断熱性の低い家の多くは、いる場所だけ暖める局所暖房がほとんどで、洗面所や浴室・トイレなどの非暖房室との温度差が10℃~15℃も生じるため、ヒートショックによる心臓や脳疾患の危険性も必然的に高まる。
家族の健康を守るべき住まいが、健康を蝕み、病気を誘発する場であってはならない。
デザインや間取り・設備のグレード以上に、気密や断熱・暖房や換気などの計画もしっかり検討しなければ本当にいい家は実現しないと言える。
- 社員ブログ