2018年12月16日
樹脂サッシと住環境 その3
今回は前回に続き、住宅用サッシの種類とその特徴の記事のご紹介です。
今回はスチールサッシと、我が国の住宅で最も多く使用されているアルミサッシとアルミ+樹脂複合サッシです。
●スチールサッシ
スチールサッシは、アルミが登場する前までは、ビル用サッシの定番でした。
主に鉄筋コンクリートの防火地域や強度が必要な事務所やホテルなど、高層建築に採用されてきました。
現在でもこのような防火地域や高層建造物には、強度的に優れたスチールサッシが使用されています。
メンテナンスを怠るとサッシにサビが発生するので、定期的なメンテナンスは欠かすことができません。
また、金属製ですが熱伝導率はアルミサッシの半分以下で、アルミサッシよりも結露が発生しにくいという特徴があります。
鋼材を原料としているので抜群の強度がありますが、アルミなどの軽金属とは異なり、重量もあり扱いにくいという難点もあります。
●アルミ+樹脂複合サッシ(アルプラサッシ)
アルミ+樹脂複合サッシは、通称アルプラサッシという名前で流通しています。
大手ハウスメーカーが採用してから、現在、全国的に最も多く普及しているサッシです。
アルミサッシの室内側に、プラスチックを貼り付けた構造で、熱伝導率の低いプラスチックが室内側の結露を防いでいます。
この様なアルミと樹脂の複合サッシは、きわめて日本的なサッシで、アルミとプラスチックという熱伝導率が極端に異なる材料を結露を防ぐ目的のみで複合しています。
断熱性能は、樹脂サッシよりも低くなりますが、オール樹脂サッシよりも価格的に安くなるというメリットがあります。
室内側にプラスチックが採用されているので、樹脂サッシと間違えやすい窓ですが、性能的には、樹脂サッシに劣ります。
大手プレハブメーカーでは、このアルミ+樹脂複合サッシ(アルプラサッシ)が主流になっています。
●アルミサッシ
アルミサッシが最も一般的に窓に採用されてきたのは、後で述べる我が国の特殊事情です。
アルミサッシは、従来使用されてきた木製サッシとは、比較できないほど気密性がよく、隙間風を防ぐ効果には素晴らしいものがありました。
サッシは、ガラスと共に室内の熱を遮断する重要な役割をしますが単板ガラスの時代には、ガラスに結露するのは当たり前で、アルミサッシの結露もあまり問題にはなりませんでした。
住宅に欧米並みの高性能が求められるようになり、アルミはサッシの素材として最も不的確であることが分かってまりました。
特に断熱材が施工されるようになってからは、ガラスとサッシに結露した結露水が、壁の断熱材を濡らしてしまい、住宅が腐る原因を造っていました。
アルミサッシが普及した背景は、加工が簡単で、しかも日本では諸外国に比べて比較的に安価で手に入る金属だったそうです。
次回は、樹脂サッシの構造について、ご案内します。
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