2018年11月11日
エアコン暖房は、連続運転の方が安い
以前にも、紹介しましたがエアコンの連続運転した場合の、消費電力について説明させていただきます。
弊社では、冬期間にはエアコンの連続運転をおススメしておりますが、光熱費のシュミレーションをご提示していても、これまでの生活習慣からくる節約意識がどうしても働いてしまうために、不在時や就寝時には、エアコンを消してしまう方もいらっしゃるようです。
もちろん、断熱性能が高い外断熱の家ですので、間欠運転でも、そこそこ快適な家ではあるのですが、朝15℃以下になったり、廊下や水回りの温度差が5.6℃になる場合も出てくるのは否めません。
朝15℃以下になった室内を暖めようと暖房を入れると、電気料金の単価の高い時間帯にプラスして、温度を適温まで上げるためにも負荷がかかり、逆に光熱費がかかるので注意が必要です。
また、風量や音によっての不快感や、床のハウスダストを巻き上げるなどの問題も、少なからず出てきます。
空調機器メーカー大手のダイキン工業では、
「エアコン暖房をつけっぱなしにするのとこまめに入り切りするのでは、どちらの電気代が安くなるの?」をテーマに検証を行い、その結果を公表したので紹介させていただきます。
今回の検証は、京都市内の築15年、ほぼ同じ条件のマンション2部屋に、4KWのエアコンを設置し、2パターンのケースで、実施しました。
一つ目の実験では、24時間つけっぱなしにしたエアコンと、30分間隔でON/OFFを繰り返したエアコンの消費電力量を比較したのですが、その結果、全ての時間帯において、30分間隔で「こまめに入り切り」するよりも「つけっぱなし」にした方が消費電力量は小さく、電気代が安くなりました。
24時間つけっぱのグラフです。1日の消費電力が16.1KWで、1KWあたりの料金を27円とした場合、435円となりました。
一方で、30分ごとにON・OFを繰り返した場合の消費電力は、23.9KWで料金は645円となり、実に50%もアップし、1日で210円という大きな差となりました。
そして、料金の違いもさることながら、室温の変化を比べてみて下さい。つけっぱにすると室温は一定になりますが、つけたり、消したりすると、そのたびに6℃位室温も変化します。
これは、エアコンの運転をONにした直後に多くの電力を消費したためで、エアコンは設定温度を維持する時よりも運転を開始した直後の室内温度と設定温度の差が大きい時に電力を多く消費することで、これだけの差が生じるのです。
2つめの実験は、1日の生活スケジュールを想定して、24時間「つけっぱなし」にした場合と、外出時や就寝中に運転をOFFにしたエアコンの消費電力量を比較したものです。
つけっぱにした場合は、12.6KWの消費電力で340円という電気料金と試算されました。ちなみに一つ目のケースより低いのは、検証した日が別のために外気温が違うからです。
想定スケジュールにもとづいて、13時間エアコンを消した場合、11.6KWの消費電力となり、電気料金は313円となりました。つけっぱなしに比べ27円ほど安くなりましたが、使用時間は11時間となっており、24時間連続運転と、ほとんど変わらないのがわかると思います。
そして、室温の差を比べて下さい。朝の室温もさることながら、時間帯によって大きく変化するのがご理解いただけると思います。そしてこの温度変化が、寒さを感じたり、エアコンをつけたり、消したりする煩わしさを生み、時には結露の危険性さえも生じてしまうのです。
一方、24時間連続運転した場合は、室温にほとんど変化がないのです。
これは、部屋の天井や床、壁が蓄熱されており、少ない電力でエアコンを運転できるからです。
間欠運転の場合は、睡眠(23~7時)や、日中・夜間の外出時に運転を停止させると、そのたびに室温が低下し、何度も冷え切った状態から設定温度まで上げる必要があり、そのたびに、多くの電力を消費しているということです。
今回の検証では、スケジュールに合わせて運転を切った場合の方が消費電力は、多少、低くなりましたが、入り切りする頻度がもう少し増えた場合は、光熱費が逆転する可能性も考えられると思います。
いずれにしても、快適さはもちろん、様々なストレスや結露のリスク・健康への影響などを、鑑みてもエアコンの連続運転は、贅沢でも無駄でもないということをご理解下さいます様お願い申し上げます。
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