2018年10月25日
家はどこから腐れるか?
ご存知のように、弊社のモデルハウスには、地下室を設けています。
表向きの目的は、基礎外断熱だから出来る、床下の有効活用の提案であり、これまでも約25件ほどの地下室付きの家を建てさせていただいています。
手前味噌となりますが、おそらく、一般住宅において地下室の施工実績は、宮城県ならずとも全国でもトップクラスではないかと思います。
地下室の工事は、断熱はもちろん、地盤や地下水・結露対策など、クリアしなければならない問題と施工技術の蓄積と数多くのノウハウが必要であり、全てのお客様にお薦め出来ない部分もございますが、条件さえ整えば、10畳(5坪)ほどの広さであれば、250万から300万の費用で設置が可能となります。
採用いただいたお客様の多くは、収納として活用したり、セカンドリビングやシアタールームなどに活用し、皆様に大変喜んでいただいております。
しかしながら、地下室は、床下の有効利用とは別に本来の目的があって設置しています。
一般的に、床下は、じめじめして湿気っぽいとか、カビ臭いイメージがあろうかとおもいますが、モデルハウスの床下環境は、一年を通して快適な空間となります。
こうした床下の状況をお客様にご確認いただくことで、なぜ私達の造る外断熱の家が、住む人と建物の健康をいつまでも守るのかということをご理解いただくためのスペースでもあるのです。
ソーラーサーキットの家は、基礎を外断熱にする事で、地熱の効果を生かし、さらに季節やその日の温度・湿度によってダンパーを開閉する事によって、冷暖房をつけない自然室温で。15℃前後(真冬)から24~25℃(真夏)の一定した温度を保つ事が可能となり、夏も冬も快適で省エネな室内環境を実現します。
場合によっては、エアコンを設置して床下から家全体を暖めたり、夏場除湿することで室内の相対湿度を下げたりすることも可能となります。
そして、通気性を確保する事で、床下の結露やカビ・腐朽菌・シロアリの発生を抑え、良好な床下環境を実現する事も可能となるのです。
しかし、こればかりはいくら口でご説明しても、なかなかご理解していただくのは難しいために実際に地下室を造らせていただいているというわけです。
家はどこから腐れてくるでしょう?
シロアリはどこから侵入し、どこから食い荒らすでしょう?
床下が健康な家は「建物と住む人の健康」をいつまでも守ってくれるのです。
家を建てる前に是非確認したいこと。
それは床下であり小屋裏です!
冬の寒い時期や梅雨から夏にかけて、その家の床下を目で見て、臭いを嗅げば、その家の快適性や耐久性が大体分かるものですが、どこのハウスメーカーのモデルハウスでも、床下はまさにブラックボックスで、公開している会社は基本的にありません。
そして、ロフトはあっても、小屋裏の構造部分をオープンにしている会社もほとんどありません。
床下や小屋裏内部は、普段目にすることはありませんが、この隠された部分に、その会社の家に対しての考え方や職人さんも含めた造り手たちの良心がはっきり表れてくるのです。
木はよく生き物という表現がされますが、ご見学の折には、ご自身が木材になったつもりで、床下や小屋裏そして壁の中まで、目で見て肌で触れていただきたいのです。
完全な外断熱の家は、これまで家の外部だった床下も小屋裏も壁の中も、室内空間になるのです。
そうすることで、家の耐久性を阻害する最大の要因となる壁体内の湿気や内部結露をおさえ、住む人の健康はもちろん、家の耐久性を飛躍的に向上させるということをご理解いただければ幸いです。
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