2018年9月9日
なぜ内断熱はやらないのですか?
お客様から、「なぜ内断熱はやらないのですか」という悩ましい問い合わせがありました。
弊社では、20年以上も前から外断熱をメインとした家づくりに取り組んでおりますが、地元で38年間にわたり建設業を営んでいる関係もあり、多くのお客様から、建築のご相談を頂戴します。
もちろん、住宅のご相談が多いのですが、その他にも、アパートや店舗・事務所や老人介護施設・保育施設・医院に到るまで、様々な建築のご相談を頂戴します。
その全てを、外断熱で施工するのは、予算や規模・利用目的や建築法規などの様々な条件や事業の収益性も考慮しなければならず、内断熱の施工も承っています。
住宅においても同様で、お客様の要望によって、年に2~3棟は内断熱の現場を施工しているということをご理解いただきたいと思います。
さて、本題ですが、なぜ外断熱をすすめるのかと一言でいえば、
私自身、地元の住宅会社の代表者として、内断熱で高性能を求めると、それぞれの現場で品質や性能のバラツキの出ない施工や管理は非常に困難であり、責任ある家造りをお約束出来ないからなのです。
説明をするとまた長くなるので、過去の記事をご参照いただきたいのですが、内断熱で、高気密・高断熱仕様の住宅をつくって、50年後も性能を維持して、次の世代に引き継げる高耐久な家を造るのは至難の業なのです。
なぜ、難しいかということを詳しく知りたい方は、下記の充填断熱メーカーのサイト①~④をじっくりご覧ください。
いかに充填断熱の気密と断熱施工が大変で困難なのかよく理解できると思います。
壁を張ればすぐ隠れてしまう気密や断熱工事にくわえ、構造金物や配管部などの熱橋部分の断熱補強や防露などの複雑な処理を、それぞれの現場レベルで徹底するのは、正直不可能でもあります。
そして、難しいのは弊社ばかりでなく、どの会社でも同様で、サイトのような施工を順守し、実践出来ている現場は、ごくごく僅かだというのが現実で、高性能といいながらも、名ばかりで、簡単に出来る気密検査さえも進まない大きな要因とも言えるのです。
そして、そうした背景もあり、隙間が少なく断熱できて、気密処理が不要とされている壁体内へのウレタン等の吹付断熱が増加しているとも言えるのですが、それとて、有害物質の揮発による健康被害など様々な問題を孕んでいるということをご理解いただきたいと思います。
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