2018年8月20日
暮らしの悩みもお気軽に
ブログの記事欄に、問い合わせコーナーのバナーを張り付けて以来、色々な方から、家に対してのご質問や困っている事・分からない事・悩んでいる事などのメールが届くようになりました。
問い合わせいただくのは、弊社の家にお住まいの方やご検討していただいているお客様も多いのですが、中には他社でお建てになったお客様も結構いらっしゃいます。
先日も、東海方面のユーザーから、悩ましい問い合わせがあり、10回ほどメールのやりとりさせていただきましたが、住まいで悩んでいる方が、非常に多いということをいつも痛感している次第です。
原因の多くは、新しい家や依頼先への期待と現実とのイメージギャップにあるというのが、私の率直な考えですが、造り手側の説明不足と住まい手側の理解不足が、重なってしまうと折角のマイホームが大きな不満と後悔だらけの家になってしまうケースが多い気がします。
知らないユーザーと知らさない造り手との家づくりは、成功確率が非常に低くなってしまうのです。
そして、あえて言わせていただくと、知らないのはある意味しようがないことですが、こと住み心地や健康に影響する重要な部分を、何の疑問も持たずに知ろうともしないユーザーほど、世の多くの住宅会社にとってこれほどありがたいユーザーはいないということで、結果的に見せかけのキャンペーンや大幅値引きなどによって、うまいこと誘導され、契約させられてしまっているのが、住宅業界の現実です。
住宅に限ったことではありませんが、この世に流通する商品やサービスには、売る側と買う側が存在しており、売る側は売るために様々な工夫を凝らします。
そしてどんな商品でもメリットとデメリットがあり、売る側はデメリットにはできるだけふれずに、メリットを強調して、訴求するのが一般的で、豪華な展示場やカタログ、営業マンの巧みなセールストークからは、隠されたデメリットはなかなか見えてこないのです。
ブランドやイメージ、見た目のデザインや価格などに左右されず、 建ててから一番大事な「住みごこち」に直結する「隠された真実」を見抜く、確かな知識を持たなければ、心から満足できるマイホームにはたどり着くことはなかなかできません。
例えば、高気密・高断熱で、断熱等級が最高等級なので、省エネで冬暖かくて夏涼しいですよ~。というセールスマンから言われたとします。
気密や断熱の性能値はどうなのか?
表面結露や内部結露は発生しないのか?
洗濯物を干しても大丈夫なのか?
日射熱の影響はないのか?
自分の家のプランで、エアコンは何台で快適になるか?
家のどこに設置すれば効率的なのか?
エアコンの容量や機種はどのようなものを選択すればいいのか?
一部屋だけ快適なのか?1階だけ快適なのか?家全体が快適なのか?
浴室やトイレ・廊下などの非暖房室の温度や部屋間の温度差・床と天井面の温度差や朝晩の温度差は?
快適というのは、冬は何℃で夏は何℃なのか?湿度はどうなのか?
局所運転なのか?間欠運転なのか?連続運転なのか?
暖房費や冷房費はどの位かかるのか?
換気の種別はどうなのか?24換気によって寒くならないのか?
エアコンの風量や音は気にならないのか?
断熱性能やエアコンの経年変化は?
思いつくままざっと挙げましたが、他にも確認すべき点は多々あり、十分な説明を受けずに、家を建てると、期待と現実とのイメージギャップが生まれてしまい、後々大きなクレームになるのが、住宅業界がクレーム産業と言われる一番大きな理由です。
医療の現場では、インフォームドコンセント(十分な説明と合意)が今や常識です。
インフォームドコンセントとは、世間でもだいぶ浸透してきましたが、「医療を提供するに当たり、リスクなどについても、適切かつ十分な説明を行い、患者さんの理解と協力を得るよう努めた上で、合意に基づいた医療行為をしなければならない」という概念で、医師のみならず、看護師や薬剤師にも求められています。
こうした概念は、家づくりにおいても必要ではないでしょうか。
耳触りのいい言葉だけを鵜呑みにしてしまい、知らない・知らされないままに家を建てるということは、治るので大丈夫という言葉だけを信じて、お医者さんに難しい手術を委ねるのと同じことだと思います。
本当に治るのか?リスクや副作用はどれほどなのか?他の治療法はないのか?医師の技量や経験はどうなのかなど、ご自身でも十分な説明を求め、正しく理解した上での、インフォームドチョイスが、(十分な説明と合意に基づいた選択)が必要なのです。
電化製品や衣料品などとは違い、医療も家づくりも、基本的にはやり直しはきかないということを真剣に考えていただきたいのです。
これから家を検討している方はもちろんですが、すでに他社で建てた方でも、正しい理解にもとづいて、工夫していただくと、住み心地がかなり改善する場合が多々ございます。
私の分かる範囲の中で、答えさせていただきますので、家の計画のあるなしに関わらず、現在のお住まいで困っていることなども、お気軽にお問合せいただければ幸いです。
また、拙著「外断熱が家族を守る」には、現代の家にあった正しい住まい方なども紹介しておりますので、こちらのフォームから、ご遠慮なくお申し付けいただければ幸いです。
これから、マイホームを検討している方に伝えたいのは、省エネで快適にそして健康に暮らし、家を長持ちさせるには、これまでの暮らし方も大きく変える必要があり、従来のまま暮らしていると、中途半端に気密性や断熱性が高まった現代の家は、これまで以上に、内部結露により耐久性が低下し、住宅ローンが終わる前に、その価値が失われる可能性すらあるということをご理解いただきたいと思います。
最後に、名古屋のお客様から頂戴したメールを勝手ながら紹介させていただきたいと思います。
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お世話になっております。エアコン取付けの件、承知しました。また8畳用とのアドバイスもいただきありがとうございました。エアコン設置とダンパー補修で今冬は暖かく過ごしたいです。
高橋社長、この度は床下湿度の相談からダンパー隙間問題等々、たくさんのアドバイスをいただき誠にありがとうございました。
社長の本にもありましたが、私はパートナー選びに失敗をしましたので、我が家のことを信頼して相談できる相手がいない状況です。
そこでネットで情報を得るしかないと検索していましたら、高橋社長のブログにたどり着き、勇気を出してご相談させていただきましたところ、全くの県外に住む者にも関わらずご連絡いただき、本当に助かりました。
我が家を建てたことで、建築業界全体に不信感を持ってしまっておりましたが、ご自身の利益にならないことであるにも関わらず、これほど誠実にご対応くださる高橋社長には感謝の気持ちでいっぱいです。
おかげ様で、床下湿度もだいぶ落ち着き(今朝は74%でした)、エアコンがほぼいらないというクチコミ等による住まい方の誤解も払拭でき、さらには、床下ダンパー補修はお先真っ暗だったところに光が見えてきました。本当にありがとうございました!!
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