2018年8月13日
健康寿命を意識した家づくりを
平均寿命も平均余命も世界一の日本ですが、何才まで生きられるかという以上に大切なことが、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、健康な状態で自立して生活できる健康寿命となります。
厚労省のデータによると、健康寿命の平均は、男性は70.42歳で女性が73.62歳だそうです。
一方、平均寿命は男性が80.21歳、女性が86.61歳であり、確実に私達の寿命は延びてはいるものの、平均で男性で約10年、女性で13年ものあいだ、介護や様々な生活の制限を受けながら、日々暮らしているのが現実なのです。
人生100年時代ともいわれる今日、健康寿命を延ばす事は高齢者の方のみならず国民全体の問題として考えねばならない時代となりました。
築年数の経過した建物に住む高齢者の方々の住いは、耐震性や居住性も低下し、その多くは断熱性も不十分で、光熱費の負担も大きく、温度差によるヒートショックなど、少なからず健康に不安を感じながら生活を送っているのではないでしょうか。
また、子どもが巣立ち夫婦2人で暮らす家の多くは、広さ的には十分なものの、子ども部屋は、物置になってたり、2階寝室のパターンが多く、年々、階段の上り下りが負担となり、、時には転倒によって骨折するなどの話もよく聞かれます。
かといって、一階部分の限られたスペースでは、狭くて寝室にするには、不向きケースも多く、現状のライフスタイルには、そぐわない家の間取りになっているのが大半です。
出来れば、温度差のない快適な住まいの中で、ヒートショックなどの不安を感じず健康な暮らしを送りたい。と考えていらっしゃる方も多いと思います。
しかしながら、老後の不安もあり、なかなか住み替えや建て替えを決断できないのも現実ではないでしょうか。
ただ考えなければいけないのが、健康に影響が大きいとされる室内の温度差が、10℃も15℃もある家に、長く住み続けることで生じる健康へのリスクです。
年齢を重ねるごとに、免疫も低下し、温度差による血管や身体への負担は大きく、時には脳卒中や心筋梗塞などの突然の発症により、大事な命さえも失ってしまう危険性があるのです。
温度差や空気の汚れによって、家の中で循環器系の疾患や肺炎によって、20万人以上の方が亡くなられているのです。
特に、冬場の死亡率は高く、寒さや温度差が大きく影響しているのは、紛れもない事実です。
そして、幸い命をとりとめても、その後の後遺症によって、ご自身はもちろんご家族にも大変な負担が強いられるということをリアルに考えなければなりません。
ご存知のように、我が国は急速に進む、高齢化によって、社会保険料や介護保険料の上昇に加え、年金の支給年齢の延長や縮小が続く一方で、医療費や介護費などの社会保障費は年々膨らみ続け医療費の個人負担も増加しているのです。
さらに、医療制度の改革によって、病院での長期間の入院も、難しくなっており、実に多くの方が発症後の介護に苦しんでいるのが実態です。
今後、消費税の増税にとどまらず、様々な制度改革により、医療制度や皆保険制度の見直しを余儀なくされるのは必至の状態で、ご自身はもちろん、ご家族の生活を守る為にも、出来るだけ病気にならずに健康寿命を延ばすことが重要ではないでしょうか。
ご存知のように、特老などの施設は、どこも何百人まちの状態でありますが、新規の施設は民間頼りになっており、比較的安価といわれるサービス付高齢者住宅でも、最低でも月額20万前後の入所費用が必要で、年金などで賄える方はそう多くはありません。
国は基本的に在宅介護をメインに捉えた政策を推し進めているのが現状で、自分の身は自分で守らなければならない時代だということをリアルに考えなくてはならないのです。
「予防こそが最高の医療」とよく言われますが、温度差の無い家で、綺麗な空気に満たされた家で暮らすことは、予防医学の観点からも非常に重要なことでもあるのです。
将来を見据え、省エネで快適にそして健康で長生きできる住いを若い世代や団塊世代・高齢者の方々も真剣に検討してみてはいかがでしょうか。
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