2018年7月24日
暑さや冷房費を左右するηA値を知る
ηA( イータエー)値とは、夏の冷房期に建物にどれくらい熱が入ってくるかを表す数値で、平均日射熱取得率のことを言います。
耳慣れない言葉だとは思いますが、暑い日が続き、これから家を建てる方にとっても、何気に重要な数値でもあるので、簡単に紹介させていただきます。
これまでは、μ(ミュー)値という値でしたが、改正された省エネ基準では、ηA( イータエー)値に変更になりました。
μ(ミュー)値もηA( イータエー)値も、その意味合いは同じですが、冷房を必要とする夏の時期に、屋根・外壁・窓から、どれだけ室内に日射熱が侵入するかを示す指標となり、少ないほうが暑くなりにくく、冷房に要するエネルギー消費も小さくなります。
そして、ηA( イータエー)値は、家の断熱性能にくわえて、日射熱の侵入の割合が高い、窓などの開口部(ガラス種類、方位毎の配置、大きさ、庇等の日射遮蔽物の有無) によって、数値は大きく変わります。
宮城県の場合は、地域区分で4地域という、日射の影響が少ない地域とされており、省エネ基準では、ηAの規定がありませんが、消費エネルギーの計算をする場合は、このηA( イータエー)値もカウントしなければなりません。
そして、年々夏の暑さが厳しくなっている現状の中、夏の日射熱の影響を抑えることは、県内に家を求めるユーザーにとっても重要になってきました。
ηA値は、ほとんどの住宅会社では、詳しく説明しないので、知らない方が、大半ですが、ご自身の住いの数値がどの位のηA( イータエー)値かは、夏の日射の影響による室温の上昇や冷房負荷を把握するために、ある程度は、知らないと後々後悔する要因にもなります。
ご覧の通り、5地域の関東地区では、3.0以下という基準が設けられていますが、宮城でも、この数値が最低限の基準となります。
ちなみに、弊社の外断熱の家では、外断熱の遮熱効果に加え、樹脂ダブルLOW-Eのトリプルガラス(空気層にはアルゴンガス)を採用することで、概ね1.4前後の数値で、関東基準の2倍以上の性能値となり、単純に夏の冷房負荷も半分以下に抑えられます。
ただ、このηA値も例によって、計算上の数値であり、実際の性能が計算どうりに発揮するかは気密や断熱の施工精度や換気性能も大きく左右するのです。
家の気密性能を表すC値(隙間相当面積)も、計算には考慮されていないのですが、弊社の建物は、平均C値0.46という高い気密性能と、熱橋の影響がほとんどない外断熱の効果が発揮され、見た目の計算値が同じ建物と比べても、実際の性能は、さらにレベルが高いということをご理解いただきたいと思います。
そして、家の熱損失や日射取得の数値に大きな影響を及ぼすのが、窓などの開口部の比率となります。
多くの住宅会社が取り組んでいるのが、出来るだけ窓を小さくしたり、少なくして、開口部比率を低くする手法です。
コストダウンとは、表だっていう会社はありませんが、昨今の新築に窓が極端に少なかったり、小さいのはこうした側面も大きいのです。
窓を小さくすることは、数値を良くみせつつも、コストダウンにもつながる方法の一つでもあるということを理解しなければなりません。
※ 窓面積が減ると壁面積が増えるので、コストは変わらないと思うかもしれませんが、実際は、内装材や外装材・断熱材など、多くの部材の、切ったり張ったりの手間や材料の無駄が少なくなり、大きなコストダウンにつながるです。
弊社では、基本性能の高さから、こうした小手先とも言える手法をとらずとも、冬も夏も省エネで快適な住まいが実現します。
ただ、注意したいのが、窓からの日射熱の侵入です。
いくら高性能な窓を採用しても、夏の日射をまともに受けると、室内に熱は少なからず侵入します。
特に、日射をまともに受ける、西側に面した窓には注意が必要で、留守にする場合などは、ブラインドやカーテンを忘れずにお願いしたいと思います。
そして、日射熱は窓の内側よりも、外で遮る方が断然効果を発揮します。
すだれなども有効ですが、2階の窓には対応が難しく、最近では窓の外側につけるお洒落なシェードなども、数多くありますので、西側に寝室を設ける場合などには、ご検討いただきたいと思います。
「違いのわかる夏」というのは、ソーラーサーキットの夏のキャッチコピーですが、こうした性能の裏付けにプラスして、地熱を活かした二重通気と衣替えする換気効果によって、計算値を遥かに上回る性能を発揮するからこそ、エアコンに頼らない住まいが実現するのです。
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