2018年5月24日
夏の爽やかさの理由 ①
まだ少し早い気もしますが、なぜソーラーサーキットの家がエアコンに頼らなくても、どうして、夏爽やかなのか紹介したいと思います。
「ソーラーサーキットの家」の技術は、とてもシンプルかつ、理に叶った仕組みですが、自然の力で、夏の爽やかさを生み出す理由を説明いたします。
家の基礎・壁・屋根の構造分を、断熱材で外からすっぽり覆い、遮熱性を高めるのと同時に、断熱材の外側に通気胴縁を取り付け、外壁材を施工することで、外壁の裏側に外部通気層(アウターサーキット)が出来ます。
通常、夏の日射を受けた外壁面の裏側は、40℃以上となりますが、この通気層によって、熱せられた空気は、自然の力で上昇し、軒裏や屋根の棟に取り付けられた通気口より、常時排出されますので、外壁裏側の温度上昇を抑え、断熱材の日射熱の受ける影響を最小限にします。
もちろん、外断熱ですので、充填断熱に見られる構造躯体は、熱橋(ヒートブリッジ)には、ならず構造の外側で、しっかり遮熱の効果を発揮します。
そして、柱の外側に施工された断熱材と内壁、つまり構造内にも内部通気層(インナーサーキット)が出来るのがおわかりでしょうか。
この通気層によって、地熱によって冷やされた床下の空気が壁の中を通り、小屋裏から外へ排出するのが、インナーサーキットの夏の機能となります。
床下の温度は、たとえ外が35℃になっても、25℃以上にはならず、この冷やされた空気が壁や小屋裏の中を流れ、小屋裏に設けた排気ファンによって、壁の中の熱気や湿気を排出してくれるので、壁の中の温度上昇を抑えてくれるというわけです。
通常、充填断熱による高気密・高断熱の家では、壁や小屋裏の中は、日射熱と室内で発生する熱が、外からも内からも影響を受けるので、壁の中の温度は、おのずと上昇するのは、お解りいただけると思います。
そうすると、自ずと内壁の表面温度も上昇するので、体感温度も室内の温度以上に上がってしまうのです。
断熱性能が、高くなれば高いほど、こうした現象は顕著となり、外が涼しくなっても家の中が暑いのは、こうした躯体の中の熱ごもりが最大の原因となります。
普通は、この暑さを解消するために、エアコンをつけますが、あまり冷やし過ぎると、壁の中と室内の温度差によって、夏型の逆転結露により、構造の腐朽や蟻害が発生する危険性が高まりますので、十分な注意が必要なのです。
重要なのは、水蒸気は温度が低く、絶対湿度(その空気の含んでいる水蒸気量)の低い方へ移動す性質があり、通常、冬期間は外へ向かって移動しますが、梅雨や夏は、逆に室内側へ移動しようとする時間帯や日数が多くなってしまうので、必然的に室内の湿度は高くなりがちなのです。
ふく射熱という言葉を耳にされたことがあると思います。
たとえばサウナのように壁や天井の温度が体温よりも高いと熱さを感じますが、このように体が直接触れなくても感じる熱を、ふく射熱といいます。
逆に、洞窟やトンネルのように周りが体温よりも低いと冷たさを感じると思いますが、これもふく射熱の1つで、冷ふく射といいます。
「ソーラーサーキットの家」では、外断熱で熱の侵入を抑えるとともに、壁の中の通気で熱や湿気を逃がすことで、壁の中の温度上昇を防ぎ、室内も暑くなりにくく、エアコンがなくても扇風機で爽やかに暮らせるというわけです。
こうした自然の力は、爽やかだとか・それほど暑くはないという程度の控えめなものでありますが、通常の高気密・高断熱と比べると、その差は歴然で、最低でも2℃~3℃は室温は低く、実際に、エアコンをほとんど使わずに暮らしている方が多く、普通サウナのような暑さになる小屋裏でさえ、さほど暑さを感じないのは、こうした理由なのです。
もちろん、エアコンの涼しさが好きという方は、少ないエネルギーでエアコンの効果を発揮しますので、それぞれのご家庭に合わせてご利用いただければと思います。
クールビズ運動が、大分一般的になっていますが、28℃の温度設定では暑いという声も多く、熱中症に見舞われる方も増加しており、環境省では、見直しの検討に入っておりますが、ソーラーサーキットの家では、湿度をコントロールすれば十分な温度設定となります。
どんなに暑がりな人でも27℃位の設定温度で十分快適で、それ以上下げると寒く感じるほどなのです。
そして、この通気層の働きは、夜間においても常時発揮され、寝ている間に自然に建物を冷ます効果が生まれ、早朝の室内温度も大分抑えられ、爽やかな朝を迎えることが出来るのです。
「違いのわかる夏」というのが、ソーラーサーキットの夏のキャッチコピーですが、エアコンの力に頼らず、夏も爽やかな高気密・高断熱の家。それがソーラーサーキットの家なのです。
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