2018年5月15日
ウッドワンでの「住まい塾」での質問①
先週、新しくオープンしたウッドワンさんのショールームにて、社員さん向けの住まい塾を開催させていただきました。
内容的には、お客様向けのセミナーとほぼ同じですが、同じ建築業界に属している方々でもあり、大分ヒートアップしてしまい、またもや3時間をオーバーした住まい塾になりました。
そんな訳で、予定では30分ほど質問コーナーを設けていたのですが、時間が取れずに質問はメールでとお願いし、早速5.6人の方から質問を頂きました。
何回かに分けて、寄せられた質問の内容と私の回答を紹介させていただきますので、よろしければお付き合い下さい。
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Q. 太陽光の売電価格が下がることで、やはり今後は、太陽光パネルの普及が下がると思うのですが、対応策等はあるのですか?またどのようにしたらお施主様に太陽光のメリットや必要性を理解していただけるのか教えて下さい。
A. セミナーでも、少し触れましたが、これまで、太陽光発電は投資的要素が強く、業界全体が、住宅を売る為の一つの道具として、推進していた傾向が強く、私自身は家造りの本質からはずれた、そうした風潮に常々、疑問を持っており、お客様の要望があれば対応しておりましたが、積極的なご案内は控えておりました。
しかし、電気料金の度重なる値上げに加え、再生エネルギー賦課金の上昇により、年々光熱費が上昇し、私達の生活を圧迫してきている現状の中、さらに上昇する可能性が強く、生活防衛という観点からも導入の必要性を感じている次第です。
ご質問への回答ですが、売電価格が下がっても、メーカーの企業努力によって、太陽光パネルの価格も下がり、電気料金や再エネ賦課金も上昇しているので、10年~12年となる投資回収年数は、基本的に変わりません。
また、今はまだ高価で、設置メリットの少ない蓄電池ですが、年々、コストダウンも進み、価格も下がっております。
来年には、FIT制度が始まって10年を経過し、固定価格での買取が終了するユーザーが出始めることもあり、蓄電池の普及も進むだろうと予測されており、FIT終了後の売電価格とともに、蓄電池の価格がどこまで下がるか注目したいところです。
ただ、今後の流れとして、太陽光発電は、蓄電池に貯めて使うことも含め、売るよりも使う方向に急速に変わっていくということだけは、間違いありません。
今はまだ、割高なEV車ですが、バッテリー価格が下がることで、遅くとも2025年には、ガソリン車同様の価格になると言われており、燃費に換算すると1リッターあたり60KMも走るEV車の需要は、急速に伸びてくるはずです。
また、現在は、深夜電力で充電して使う方が多いEVユーザーですが、売電価格が下がれば、太陽光で発電した電気を充電するのが当たり前の時代に変化していくのです。
つまり、昨今、国がZEH住宅を本腰入れて推進しているのも、自動車メーカーがEV車の開発を急ピッチで進めているのもこうした背景もあるのではないでしょうか。
また、エコキュ―トなどの電気設備も、現在は、割安な深夜電力で沸かしていますが、太陽光を搭載することで、日中、発電した電気で沸かすというのが、ごく一般的になってくるのです。
※ エコキュ―トの電力単価は、夜間電力と再エネ賦課金を併せると、KWあたり約14円ですが、仮に、買い取り期間を終了する時点で、売電価格が、7.8円になったとしても、電力単価もさらに上がり、最低でも、17円~18円にはなっていると予測されるために、売電しなくても、使うことで、十分なメリットになるのです。そもそも10年経過すれば、初期投資分はほぼ回収している計算となり、発電した電気は、ただで使えるという見方も出来るわけです。
つまり、売電価格が下がることで、太陽光の普及が止まるというのは、いささか短絡的な考えでもあり、これからは、発電した電気を上手く活用し、極力、電力のメーターを回さないことの方が、結果的に、省エネや節エネともなり、金銭的な負担も軽減するということをご理解下さい。
2020年には新築住宅の50%・2030年には100%の太陽光を搭載したZEH住宅の普及が国の掲げる目標で、今後、予想される炭素税などの導入に当たっては、それぞれのCO2の排出量に合わせて課税するなどの検討も始まっており、太陽光のあるなしで、大きな差が出てくるかもしれないのです。
※ だからと言って、必要以上の太陽光を搭載しても、日中発電した分を消費するには限度もあります。かといって、蓄電池がいくら安くなっても何台も設置する訳にもいかないので、あくまで最低限の太陽光で十分で、7KWも8KWも上げるのは、どうかと思います。
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