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機械換気に対する偏見が多い理由

冗談か本気か?ですが、気密性が高い家で、停電して換気が止まったら、窒息しないのですか?というご質問が届きましたので紹介させていただきます。

答えは、もちろんNOです。どんな高気密住宅であろうとも、潜水艦ではありません。

必ず、換気を設置するための穴が、最低5.6ヶ所は開いており、確かに空気は汚れますが、1週間や2週間停電したとしても、窒息することは絶対にありませんのでご安心ください。

私の家は泉区ですが、震災時に6日間停電しました。

もちろん、換気せずとも窒息はしませんが、空気の綺麗なソーラーサーキットの家に住むと、不思議に空気には敏感になるので、1日に何回か5分位ずつ、窓を全開にして、換気しましたが家族6人、元気に暮らしておりました。

2003年に、シックハウス対策として、24時間換気が義務化になりましたが、義務化される前の家では、換気といえばキッチンやトイレ・洗面だけでしたので、普通の方は、計画換気と言ってもあまりピンとこないのもしようがありません。

実際に、折角の換気も寒いからとか、音が気になるとか電気代がもったいないからと言って消しているユーザーも多く、家の中の空気は汚れによって、アトピーや喘息などのアレルギーの患者の増加は、換気不足がもたらしている部分も多分にあるのではないでしょうか。

そして、今でも、高気密・高断熱そして、24時間計画換気という名前を聞いただけで、息苦しくて、機械的なイメージを持たれ、拒否反応を示す方がけっこういらっしゃいます。

陽当たりが良くて、風通しのいい家の方が、ある意味自然ですし、一般のユーザーの皆様がこうした思いを抱くのはごく当然のことと思います。

建築業界の中にも、未だにこうした考えを持っている方が、まだまだ多く、とりあえず義務化で家が建てられないから、安い換気を組み込んでいる業者が多いのも現実です。

という私自身も、恥ずかしながら25年位前までは、計画換気なんて無駄で、自然換気が一番なんて言ってました~(笑)

ご理解いただきたいのは、換気システムを付けたからといって、窓を閉めっぱなしにしなければならないということではありません。

何といっても、換気の王様は窓開け換気です。

四季を通じて人が心地よさを感じられる状態の時には、窓を全開にして開放的な暮らしをしたいものです。

昔は一日中窓を開けていたり、家の中に誰も居なくても平気で窓を開けていたお宅はけっこうありました。

しかし、何かと不用心な現代において、たとえ在宅時にでさえ、気軽に窓を開けられなくなってきているのが現実ではないでしょうか。

しかも、窓開け換気は非常に気まぐれで、日本の気候を考えた場合、天気が良くても風が強かったり、風がほどよくても雨が降っていたりと、気象条件は変化し、人が心地よく感じられる日数や時間帯は全体の1割程度しかなく、ホコリや虫などの侵入や、共働きなどで日中も不在になりがちな生活環境の中で、室内の空気を常に新鮮な状態に保つには、窓開け換気は不向きになってきたのです。

また、花粉や黄砂、最近話題となっているPM2.5の問題もあり、これらの物質を除去した上で綺麗な空気を取り入れる事も必要な時代になってきているのではないでしょうか。

人間が一日で摂取する物質で、空気の割合は85%であり、家庭内の空気は実に57%にもなるのです。

小さなお子さんやお年寄りはもっと多くの割合で、室内空気を取り入れて暮らしているのです。

目にはみえませんが、室内の空気にはおびただしい程の有害な物質が含まれており、これらをなくすことは、現実には不可能です。

案外、見落としがちなのが人の呼吸によっても、空気は汚れているということで、空気中の酸素を消費した分、二酸化炭素を吐きだしているのです。

つまり、呼吸によって取り入れた分の酸素は減少し、逆に二酸化炭素は増加しているのです。

空気清浄機を設置しているご家庭も多くなりましたが、清浄機は空気をろ過して循環させているだけですので、あくまで換気が主役で清浄機はそのサポート役という理解が必要です。

ドラッグストアにいくと、様々な消臭剤や芳香剤・などが所狭しと陳列されています。

これらを使用しても、匂いの元を除去する事は出来ず、逆に含まれる化学物質により、健康への悪影響さえ起こしてしまうのです。

カビの増殖やダニの繁殖を抑えるためにも、室内の空気環境は非常に大事なのです。

日々の生活の中で、綺麗な空気に満たされて暮らすことは、様々なストレスを解消し元気に明るく暮らす源です。

大切なご家族の健康を守るための「空気の守り役」として、計画換気を考えていただきたいと思います。

※ こうした話をすると、家は隙間があるから、自然換気が働くから大丈夫という方もいらっしゃいます。何度か説明しておりますが、隙間換気は室内外の温度差が大きいと換気の作用が働きますが、温度差がなければ、よほど風が強くなければ空気の出入りはなく、ほとんど換気の作用は働きません。つまり、隙間換気が作用するのは、基本的には冬期間や春・秋の外気温が下がった夜間に限られるということをご理解下さい。