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家の良し悪しを左右する気密検査を公開!

耐震性や断熱性・省エネ性や耐久性にしても、その基準や求められる数値は、あくまで設計時点での計算値で、実際の性能は、施工の精度が大きく影響するので、住んでみなければわかりません。

しかも、どの性能評価書をみても、記されているのは、設計段階での評価であって、経年変化を含め、将来の性能は一切の保障はないと但し書に明記されています。

そんな中にあって、家の良し悪しを左右するC値(家の隙間相当面積)だけは、検査によって、簡単に数値で表すことのできる唯一の指標となります。

そして、気密性能は、耐震性や耐久性・省エネ性を含め、家のあらゆる性能のベースともなり、住み心地はもちろん、家族が健康に暮らすためにも最も大事なポイントでもあり、気密工事完了時に検査を行い、現場を確認することで、断熱工事の精度も自ずと分かり、計算どうりの性能が発揮される建物かどうかの大きな判断材料ともなります。

しかし、次世代省エネ基準には明記されていたC値の基準が、2020年に義務化となる改正省エネ基準では、防露性能を確保する旨の記載はあるものの、何故かスッポリと削除されてしまい、気密性能を重視する住宅会社は、ごく僅かとなっているのです。

結果的に、ほとんどのユーザーは、知らないまま・知らされないままに家を求めているのが、現状です。

2020年までに新築の50%・2030年には、新築の大半がZEH住宅、すなわち太陽光の搭載した住宅にするのが、国の大方針となっており、ハウスメーカーの多くがZEH住宅(ゼロエネルギーハウス)を躍起になって推進しています。

昨日のブログにて、小屋裏の結露について紹介しましたが、結露によって耐久性が低下する屋根の上に、何十年も太陽光を載せることは、将来、漏水の危険性も考えられ、構造が腐朽し、耐久性が著しく低下し、台風や地震時の太陽光パネルの落下や破損・漏電や通電火災などの危険性もあり、非常に危惧しており、関係省庁の方々にも、機会のある度に伝えている次第です。

建築業者のテキストとも言える「住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・施工の解説書には、住宅の気密性能を確保しなければならない理由が明記されています。

1. 漏気負荷を減らし省エネルギー化と室内温度環境の快適性向上を図る
2. 壁内通気を抑制し断熱性能の低下を防止する
3. 壁内結露を防止する。
4. 計画換気の性能を保持する。

つまり、気密性能が悪いと暖房や冷房が効かず不快な上に、冷暖房費がかさみ、換気も効かず、内部結露が発生し、家が腐れ、壁の中はカビだらけとなり、空気が汚れ、建物も住む人も病気になりますよ。ということです。

しかし、基準がなくなりほとんどのハウスメーカーでは、UA値のみの表示となり、出来るだけ気密には触れずに、肝心かなめの高気密そのものの言葉や文字すら、死語になりつつあるのです。

現在、どこのメーカーも、省エネ住宅・ZEH住宅・高性能住宅と名を変えて、営業展開し、やろうと思えば簡単に出来る気密検査すら実施しない、名ばかりの高気密・高断熱住宅が、次々と建てられているのです。

ブログでいつも取り上げておりますが、気密が悪いと、様々な問題が生じ、将来、ユーザー自身が、後悔するのは必至で、何をさておいても、気密検査を実施し、最低でもC値1.0以下の建物にすることが何より重要であり、依頼する会社に対し、いの一番に、確認・依頼すべきポイントでもあり、ご自身が費用を負担しても実施しなければならない検査でもあります。

弊社では、ユーザーはもとより、業界の内外にも、今一度、気密の重要性を認識していただくために、5月より月2回程度、利府モデルハウスにて、気密性能の公開検査を実施することにしました。

おそらくは、モデルハウスとして活用している建物でのこうした取り組みは、業界初ではないかと思いますが、県内の住宅市場で、気密検査が必須となれば宮城の家づくりは劇的に向上するのは間違いありません。

そして、こうした動きが、宮城から全国に広まることで、オイルショック以降続く、悪しき家づくりが見直され、国が抱える様々な問題の改善や解消にもつながるものと確信する次第です。

是非、多くの皆様にご参加いただき、気密の重要性をご理解いただき、気密検査の周知拡大にご協力を賜ります様ご案内申しげます。