2021年2月11日
冬でもカビにご注意を
一昔前までは、冬季間はカビの発生はさほど多くはありませんでしたが、暖房するのが当たり前の時代となり、年中みられるようになっています。
カビの原因は様々ですが、多くの要因は室内の水蒸気が悪さをしてもたらすものです。
水蒸気の動きは見えませんが、常時平衡化する性質を持っており、温度の高い所(水蒸気の多い)から低い所に移動しています。
水蒸気は、温度によって含むことの出来る量が決まっており、温度が低いと必然的に含むことのできる量が少なくなるので、冷たい箇所で、飽和水蒸気量を超え(湿度100%)結露が発生するのです。
そして、未だに暖房のメインとなっているファンヒーターなどの水蒸気を発生する暖房機の使用や加湿器・家干し・換気不足、局所暖房による室内の温度差によって、窓ガラスや押し入れ壁などの表面結露や躯体内に内部結露が発生してしまうのです。
特に、築浅の建物の場合、中途半端な気密化が進んでおり、昔の家のような隙間風による自然換気がはたらきづらいという側面もあるのです。
カビは、画像の様に様々な病を引き起こしますが、厄介なのは、体調が悪くても、カビが原因とは思わず、無意味な薬を服用し、症状が悪化したり、薬の副作用によって、別の病を呼び寄せるケースも少なくないということで、免疫も低下してしまうのです。
カビが発生すると、必然的にカビをエサにするダニや虫も増殖しやすくなるのは言うまでもありません。
さらに、防カビ剤や消臭剤・防虫剤・殺虫剤を多用することで、益々空気が汚れてしまい、喘息や鼻炎・アトピーなどのアレルギー症状の悪化に加え、シックハウスや化学物質過敏症など、様々な健康被害は後をたたないのです。
人間が体内に取り入れる物質の重量比では、空気が実に85%をしめ、その多くは室内の空気です。
冬場の乾燥は必然であり、インフルエンザやコロナの感染防止に60%位にしましょう。という無責任な意見がメディアでも度々報道がありますが、感染防止という観点からみると、あながち間違ってはいないのですが、結露やカビの発生の弊害には、ほとんど言及がないのです。
冬季間の湿度は40%前後で十分で、乾燥対策はこまめな水分摂取や保湿クリーム・口呼吸の改善などで補っていただきたいと思います。
空気の汚れは目に見えませんが、温度差を極力少なくするような生活と適度な換気や清掃を心がけ健やかに暮らしましょう。
- 高橋一夫