2021年2月21日
住まいのインフォームドコンセント
住宅に限ったことではありませんが、この世に流通する商品やサービスには、メリットとデメリットがあり、豪華な展示場やカタログ、営業マンの巧みなセールストークからは、隠されたデメリットはなかなか見えてこないものです。
ブランドやイメージ、見た目のデザインや価格などに左右されず、 建ててから一番大事な「住みごこち」に直結する「隠された真実」を見抜く、確かな目と知識を持たなければ、心から満足できるマイホームにはたどり着くことはなかなかできません。
特に注意が必要なのが、長期優良住宅の住宅性能にもある、空気性能や温熱性能です。
どこのメーカーも、こぞって最高等級とPRしていますが、実際は、最高というのは名ばかりで、最低限必要なランクになっており、ここが住んでからのイメージギャップが生まれる最大の要因です。
医療の現場では、インフォームドコンセント(十分な説明と合意)が今や常識です。
インフォームドコンセントとは、「医療を提供するに当たり、リスクなどについても、適切かつ十分な説明を行い、患者さんの理解と協力を得るよう努めた上で、合意に基づいた医療行為をしなければならない」という概念で、医師のみならず、看護師や薬剤師の方々にも求められています。
こうした概念は、家づくりにおいても必要ではないでしょうか。
営業マンの耳触りのいい言葉だけを鵜呑みにしてしまい、知らない・知らされないままに家を建てるということは、何も確認せずにお医者さんに難しい大手術やガン治療を委ねるのと同じことだと思います。
電化製品や衣料品などとは違い、家は最低50年は住み続けならず、基本的にやり直しはきかないということを真剣に考えていただきたいのです
特に、身体機能や免疫が未発達の子供たちにの健全な成長を図るためにも住環境は非常に重要です。
そして、人間誰しもが年老いていくわけで、免疫が急激に低下していく60代以降の住環境が、老後の健康にも大きく影響するのです。
マイホームを検討している方に伝えたいのは、省エネで快適にそして健康に暮らし、家を長持ちさせるには、これまでの住まい方も変える必要があります。
中途半端に気密性や断熱性が高まった現代の家で、従来の家以上に、湿気や結露・換気不足や日用品に含まれる化学物質の影響は大きく、住まいと住む人の健康を著しく阻害する可能性が、あるということをご理解いただきたいと思います。
- 高橋一夫