2018年4月13日
アレルギーゼロに、するための換気計画と住まい方
私達は、ゼロ・エネルギーにくわえ、ゼロ・アレルギーを目指し、空気環境と温熱環境にこだわったザッチ【ZAH住宅】の普及に取り組んでいます。
ゼロ・アレルギーを目指すには、人間が日々の暮らしで取り入れている室内空気をきれいにすることが、重要であり、換気の役割は非常に大事です。
ソーラーサーキットの換気設計においては、間取りや生活スタイルに合わせ、1棟ごとに綿密な計画を実施しています。
新鮮な空気を入れたい部屋に給気グリルを設置し、臭いや湿気を滞留させたくない場所に排気グリルを配置することで、効率的な空気の流れをつくり、窓を開けずとも2時間に一回の換気量を確保しています。
また、換気システム本体の外気導入側には、防虫フィルター、外気清浄フィルター、高性能除じんフィルターの3層仕様を標準構成としております。
高性能除じんフィルターは、外気に含まれる花粉やホコリなど10μm(0.01mm)以上の粒子を約97%除去して、清浄な空気を室内に導入し、きれいな空気で家中を満たします。
ご注意していただきたいのが、室内のドアや引き戸の開閉です。
室内の温度差を最小限にするためにも、出来るだけ扉もオープンにし、開放的な暮らしが必要ですが、換気を正常に機能させるためにも、重要なポイントとなります。
弊社では、出来るだけ引き戸を採用しておりますが、引き戸を閉めたままにしていると、汚れた空気が上手に排気できなくなります。
また、場所によってはドアも設置する場合があります。ドアにはアンダーカットといって、建具の下側に換気のための隙間を設けておりますが、オープンにした方が換気効率は高く、プライバシーや音などの影響がなければ、オープンにしていただきたいのです。
お子さんの部屋や寝室も同様で、特にお休みになる時は、出来るだけ開放したままにしていただくと、寝ている間に呼吸によるCO2の濃度も上昇せずにぐっすり熟睡できます。
室内で、一番空気が汚れるのは、長時間滞在する就寝中の寝室です。
最近では、寝室にウオークインクローゼットを設けるケースも多くなりました。
扉があるとついつい閉めがちになるので、出来るだけ設置しない様にしていますが、要望によって設置するケースもままございます。
図にあるように、弊社では、ウォークインにも排気用のグリルを設けております。
これは、、寝室内の汚れた空気や湿気の溜まりやすいウォークインの空気を常時外部へ排出するためのものですが、扉を閉めたままにしていると、排気ファンが回っていても、ウオークインの中に負圧が生じ、空気の動きが悪くなってしまうのです。
オープンにしていただくことで、気流が生じ、ウォークイン内もしっかり換気され湿気や臭いがこもらないというわけです。
また、ウオークインなどに、防虫剤を持ち込むお客様も、いらっしゃいますが、防虫剤には、健康被害を及ぼす化学物質が含有されておりますので、極力使用はさけていただきたいと思います。
害虫の繁殖条件も、カビやダニとほぼ同じで、換気が機能し、湿度を60%以内に抑え、適度な洗濯をしていれば虫食いの危険性は、ほぼなくなります。
押入れや物入れなどにも、扉をオープンにするなど、適度に空気の流れをつくっていただくと、カビや害虫の発生を抑えられると思います。
現代のシックハウスの多くは、カビやダニ、生活用品に含まれる化学物質の影響の方が遥かに大きく、消臭剤や芳香剤・柔軟剤などを極力使わない生活を送っていただきたいと思います。
今、多くのご家庭では、空気清浄機を何台も設置しているようですが、本来、ソーラーサーキットの家には、空気清浄機は必要ありません。
ペットのいる家庭や焼き肉・鍋・タバコなどの関係で、複数置く場合は別にして、通常は1台あれば十分です。
そもそも、空気清浄機には換気の機能はなく、あくまで空気中の臭いや汚れの成分をフィルターに吸着させ、空気をろ過・循環しているだけで、呼吸によって減少する酸素や増加する二酸化炭素は変わらず、あくまで換気のサポート役という認識が必要です。
そして、置くなら、一番空気が汚れ、一番空気を取り入れる寝室に置くのがおススメです。
若干、これまでの生活習慣を変えるのに、とまどう部分も出てくるかと思いますが、アレルギーゼロを叶え、省エネかつ快適で健康な暮らしを実現するためにも、できるだけオープンな暮らしを心がけていただくようお願い申し上げます。
※ また、窓は開けてもいいですか?というご質問を時折いただきますが、窓を開けて人が心地よいと感じる時は、どうぞご自由に窓を開けて下さい。窓開け換気は、何と言っても、換気の王様です。外の温度・湿度・雨や風の状況を考慮の上、上手にご活用ください。ソーラーサーキットの家では、自然の力を活用するとともに、自然と仲良く暮らす事も快適に過ごすための大きなポイントです。
尚、衣類害虫が家の中に侵入するのは、窓からの侵入か、人が外から持ち込むかというのが、ほとんどです。窓開けの場合の網戸の位置は何気に重要で、小さな虫は簡単に入ってきます。
網戸の基本は、右側設置となりますので、くれぐれもご注意ください。
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