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空き家増加の原因も家の断熱

現在、国内には、5700万戸の住宅がありますが、その内、空き家の数は約820万戸となっており、大きな社会問題になっています。

今後も、人口や世帯数の減少により、益々増え続け、30年後には、2000万戸を超え実に3件に1件が空き家になると予想されています。

問題なのは、現在の空き家の内、リフォームして、再利用できる住宅は、約2割と言われており、大半は売るに売れない・貸すに貸せない、解体するしかない言うなれば負動産という負の資産となっているのです。

その大きな要因になっているのが、建物の老朽化にくわえ、家の断熱性の低さです。

断熱性の低い寒い家で、長年ファンヒーターなどを使用した住宅は、家の中はカビくさく、壁の中の断熱材もカビや埃で真っ黒になっており、結露によって垂れ下がり、土台や柱を腐らせ、シロアリの食害にあっている住宅も多いのです。

ご覧のように国内の既存住宅のうち、1999年に制定された次世代省エネ基準を満たした住宅は、わずか5%に過ぎず、その他の住宅は、単にアルミサッシを使い、グラスウールを詰めただけの住宅が多く、今も無断熱の住宅が40%近くも存在しているのです。

そして、家の省エネ性が叫ばれ、2015年に法改正があり、5年の猶予期間を設け、この次世代省エネ基準をベースとした新省エネ基準が、2020年に義務化する方向性ですが、いまだに基準以下の建物が建て続けられており、個人の自由だとして、義務化に反対の声を上げている業者も多いのが、この国の住宅業界の現実です。

しかし、この基準は、決して高いレベルでも何でもなく、あくまで最低限のレベルだということを是非ご理解いただきたいと思います。

改正される断熱基準(UA値)は、宮城県の地域区分では、0.75ですが、正直このレベルではとても省エネとは言えず、結果的に寒い暮らしを余儀なくされるために、温度差がもたらす結露は解消せず、様々な悪影響を及ぼすのです。

弊社では、20年以上も前からこの基準の25%以上も高い住宅をつくっており、現在は、標準仕様で0.43という高性能な住宅をつくらせていただいております。

若干話がそれたので戻しますが、空き家問題の解消に向けて、平成27年に空き家対策特別措置法が制定され、取り壊しの勧告や税金の課税・中古住宅の改修補助など、様々な方策が検討されていますが、世帯数と共に住宅の需要そのものが減少していく以上、根本的な解決にはならないのが現状です。

今、家を建てる方が、考えなければならないのは、もしも、30年しかもたない家を造り続けていけば、将来も、空き家は増え続けていくという事で、100年以上活用出来る、本物の長寿命住宅にしていく事こそが、空き家問題の解消につながる唯一の手段となるのです。

新築する方は、将来をリアルに考え、30年後も地震に強い家なのか?省エネで快適なのか?その後も健康で住み続けられる家なのか?住み替えする場合でも、売ったり・貸したり、出来る家なのか?を真剣に考えた家づくりが、求められているのです。

「いつまでも強く・いつまでも快適に」 家と住む人の健康をいつまでも守る本物の長寿命住宅にするためには、耐久性や耐震性などにも大きく影響を及ぼす、住宅の温熱環境と空気環境が何より重要な要素ということをご理解したうえでの家づくりをご検討いただきたいと思います。