2018年3月7日
自然エネルギーを活かしたソーラーサーキットの家③
ソーラーサーキットの家は、完全な外断熱と平均C値(相当隙間面積)0.46というレベルの高い気密によって、寒い冬でも省エネで快適な暮らしを実現します。
10月に入り、朝の最低気温が15℃を下回るようになったら、床下ダンパーを閉鎖し、小屋裏ファンも停止することで、室内熱を構造躯体に蓄え、寒い冬に備えます。
ソーラーサーキットの家は、構造の外側(基礎・壁・屋根)で連続した断熱・気密工事を施工する事で、熱橋(ヒートブリッジ)と隙間を防ぎ、寒さを建物の外側で遮断する事が出来るのです。
そして、従来、外気の影響を直に受けていた床下や天井裏・壁の中にいたるまで室内に近い温熱環境となり、建物腐朽の大きな原因につながる躯体内における内部結露をも防ぐのです。
また断熱ラインを構造の外側にする事で、必然的に内断熱の建物と比べ、室内側(断熱ライン内側)の容積が倍近くの大きさになります。
つまり熱容量の大きな建物となり、大きなやかんや鍋でお湯を沸かすのと同じように、熱くなるのも時間がかかる一方、一度暖まればなかなか冷めないという外断熱特有の大きなメリットが生まれるのです。
暖かい空気は上昇すると自然の力を利用したソーラーサーキットの家は、室内の熱が内部の通気層に伝わり、その通気層によって熱が構造の内側から配熱されることで、家の隅々まで暖まるのです。
前回、輻射熱の話を紹介しましたが、基礎のコンクリートや柱や梁などの木材までも、蓄熱体となって熱を蓄える事で、床・壁・天井といった壁面もあたたまり、その輻射熱によって、さほど室温を上げなくとも体感温度は高く、十分な暖かさを感じる事が出来るのです。
前回、クールビズのお話をさせていただきましたが、環境省が冬の省エネ運動の一環として勧めている「ウォームビズ」では、室内の温度設定を20℃に推奨しております。
しかし、一般的な住宅で、室温を20℃に設定しても、床や壁・窓などの表面温度が低い場合は、体感温度はどうしても低く感じるものです。
これまでの暖房といえば、空気を温めることが基本でしたが、ソーラーサーキットの家は、建物そのものを暖めることで、自然の暖かさやぬくもりを享受できる住まいとなります。
床下の温度も、真冬であっても15℃位をキープしますので、室内温度が20℃前後に保つことで、床の表面温度も18℃~20℃を常時キープすることで、床暖房がなくとも冷たさを感じることはなくなるのです。
これまで、冬の期間は、いる部屋・使う部屋を閉め切って、暖房するのが一般的でしたが、ソーラーサーキットの家では、家中のドアをオープンにしても、寒さを感じず、家中の温度差のない開放的な暮らしが可能となります。
温度差のない住まいは、住む人々の寒さによる様々なストレスを解消するとともに、病気の予防はもちろん、ヒートショックのリスクや結露やカビ・ダニの発生も抑え、健康に悪影響を及ぼす消臭剤や芳香剤・柔軟剤や防虫剤に頼らずして、健康な暮らしが送れるのです。
光熱費も上昇しており、暖房費も気になるところではありますが、120㎡程度の住宅であれば、エアコンが2台あれば家中の温度差が2~3℃以内に収まり、年間6万円~7万円の暖房費で、24時間連続運転が可能となります。
もちろん、もっと暖かくしたいという方は、それぞれのお好みの室温に設定するのもご自由ですが、省エネの観点からも考慮が必要な時代ではないでしょうか。
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