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ナイチンゲール「看護覚え書」に学ぶ②

16P -健康人の看護もほとんど理解されていない-から

良い看護を構成する真の要素は、健康人のためのものも、病人のためのものも同様にほとんど理解されていない。健康の法則、すなわち看護の法則。

両者は、実のところ同一なのであるが、病人のなかにも健康人のなかにも共通に働いているのである。

この法則が守られなかったとき、健康人は病人ほどには極端な影響を受けないですむというだけである。

もっとも、いつもそうだというわけではない。

26P -どのような保温が適切か-より

患者を保温する方法の中で、間違いなく最悪の方法は、病人の呼吸熱と体温に頼る方法である。

私が、知っている軍医は、担当病室の窓を完全に密閉してしまって、病人たちを汚染された空気で呼吸する危険にさらしている。彼にしてみれば、新鮮な空気を入れることによって、病室の温度が下がりすぎることを恐れているのであるが、これは有害きわまりない誤った考えである。

患者の身体から、出る熱と湿気で腐敗しきった空気を、繰り返し患者に呼吸させるという犠牲をはらって病室を保温する方法は、間違いなく患者の回復を遅らせ、はては生命を奪う事になる。