2018年1月21日
換気は一種換気に!
2003年に施行されたシックハウス対策法によって、換気設置が義務化となり、14年を経過しました。
上記の画像は、換気方式の導入割合を示したグラフですが、相変わらず第3種換気(自然給気・機械排気)のシェアが高くなっており、第1種の熱交換換気(機械給気・機械排気)の普及率は30%にも満たないというのが現状です。
3種換気の割合が高い最大の要因は、何といっても導入コストで、義務化になったからとりあえずつけるという造り手が、未だに多いのです。
ユーザー側も、換気といえば、これまでは、レンジやトイレ・浴室にしかなかったこともあり、計画換気への理解が不十分なのも要因の一つで、言われるがままに何となく3種を採用しているケースが多いのです。
一方で換気が正常ならば不要ともいえる、消臭剤や芳香剤をはじめ、加湿機や除湿機・空気清浄器などの空気関連の市場は拡大しているから不思議なものです。
3種換気を勧めるメーカーは、メンテナンスが大変とか、ダクトにカビが生えるだとか、電気代がかかるとか、費用が無駄だとか、あれこれ理由をつけて3種換気にしてしまうのが通例です。
ローコスト住宅や建売ではほとんど3種換気で、ノンダクトも多く、1種の熱交換にして下さいと言えば必ず多額の追加費用が発生します。
ハウスメーカーのモデルハウスでも、1種換気を当然のように設置しておきながら、実際に販売する住宅は、3種換気を標準にして、1種の熱交換換気はオプションというメーカーが、多いのが現状です。
そうして、勧められるがままに3種換気を採用したユーザーのほとんどは、上記のように、寒さで大きな不満を抱くようになります。
3種換気は、給気口のための穴を壁に何ヵ所も開けますが、自然給気で、フィルター性能も悪く、汚れた空気や冷たい空気・暑い空気も湿気の多い空気も、基本的に、そのまま室内に導入するので、温度差のある冬や夏場は、室内への影響が大きいものとなり、花粉やホコリなども室内に侵入しやすくなります。
その結果、給気口を閉じたり、排気の電源をオフにしたりしがちで、知らず知らずのうちに、空気が汚れ、臭いもこもり、結露の発生など様々な問題が生じてしまうのです。
さらに、寒さを解消するために、燃焼ガスと水蒸気を発生させる石油ファンヒーターを使う方もいるようで、益々空気環境の悪化を招いてしまうのです。
いつも説明している通り、結露は、日々の掃除も大変で、カビやダニの温床になりやすく、健康を害したり、臭いを消すために、消臭剤や芳香剤が必要となり、アレルギーやシックハウスの原因にもなります。
特に最近では、洗濯物を家干しする方も多く、香りの強い柔軟剤を使う方が増えていますが、柔軟剤に含まれる有害物質によってご家族や周囲の人にも影響を与え、香害として、大きな社会問題にもなってきており、建材の化学物質より、これら室内に充満する化学物質によって、シックハウスを引き起こし、やがては化学物質過敏症を発症させるとの話も良く聞かれます。
実際、弊社では法規制前より、換気システムは標準採用しており、ソーラーサーキットにも、3種換気は用意され、一種換気と併用して採用していた時期がありましたが、お客様からの不満も多く、APなどの物件を除き、20年前から、全て一種換気に切り替えました。
3種換気は、宮城のような寒冷地では、後々、寒さによって様々な問題が発生するのは間違いなく、熱交換機能のついた1種換気が必需なのです。
換気を機械に頼るのは、抵抗があるという方も、まだいらっしゃいますが、換気システムをつけてからといって、窓の開放をしないでくださいというのではありません。
窓開け換気は、何といっても、換気の王道ですので、人が気持ちいいと感じる時には、存分に窓開けをしていただいて結構ですので、誤解なきようお願いいたします。
また、掃除が面倒という方もおりますが、大事な空気の守り役としての役目を果たし、綺麗な空気の中で健康に暮らす為には必要な作業となります。
汚れの程度にもよりますが、3、4ヵ月に1回、僅かな時間で作業が済みますのでよろしくお願いいたします。
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