2017年12月26日
アベコベな隙間テープ?
室内ドアのアンダーカットはご存知でしょうか。
2003年に施行されたシックハウス法により、換気設備が義務化になって以来、ほとんどの建材メーカーの室内ドアは、このアンダーカットタイプになっています。
これは、ドアを閉めていても、居室の汚れた空気を排気して、スムーズな換気ができるように、ドアの下部に1センチ程度の隙間を設けるているドアのことです。
つまり、現在の新築では、引き戸でなければ、アンダーカットのドアが必ずついているということになります。
※ 引き戸は、少し開けておけば機能するという考え方で、アンダーカットは必要ありません。
しかし、家の性能と間違った暮らし方によっては、このアンダーカットのドアにもいろいろと問題が生じるので注意が必要です。
隙間があるということは、当然隙間風が入ります。
本来は、汚れた空気を排気口まで送るための隙間ですが、断熱性能が低かったり、局所暖房によって家の中の温度差があると、空気の対流が起きて、寒い廊下などから、冷たい空気やホコリが侵入して何かと不快な状態を招いてしまうのです。
2003年以降建築された住宅にお住まいの方が、このドアのすき間に、悩まされているケースが多く、ホームセンターにいくと、ドアのすき間を埋めるテープが、たくさん売られています。
この傾向は、現在の新築でも多く見られるので、しっかりと見極めなければならないポイントでもあります。
ドアのアンダーカットは、シックハウスやアレルギーを防止するために、一応建築基準法という法律で決められている措置です。
室内の換気の為に設けられた隙間によって、隙間風やホコリが入り、それを防ぐためにテープで埋めて、換気が益々悪くなり空気を汚すばかりか、湿気や結露によるカビやダニが季節を問わず増殖してしまうのです。
その結果、臭いを解消するために、消臭剤や芳香剤・柔軟剤の需要が伸び、防カビ剤や防虫剤・殺虫剤も必要にもなり、これらの化学物質によって、新たなシックハウスとも言える様々なアレルギー症状を多発させているのが実状で、非常にちぐはぐな世の中になったと感じる今日この頃です。
隙間テープは、冷気を防ぐという部分では有効化もしれませんが、素材によっては、ホコりやカビがついたり、ドアの開閉にも支障がでたり、床材に傷がついたりするなどするということも頭にいれなければなりません。
そして、一番問題なのが、換気が正常に働かなくなることで、冬場は家の隙間によって、多少の温度差換気がはたらきますが、その他の季節は換気不足によって、室内の空気はかなり汚れてしまうのです。
空気清浄機を設置するご家庭も多くなりましたが、空気清浄機は、空気の汚れ成分を除去するためには有効ですが、換気機能はなく、空気中の酸素は減り、二酸化炭素は増え続け、健康にも影響を及ばすということを理解しなければなりません。
ちなみに弊社では、もともとドアがあるから閉めてしまうという考えもあり、出来るだけオープンな間取りにして、少ないエネルギーで家中温度差の無い暮らしを提案しております。
気になる暖房費も、真冬であっても1Fと2Fのエアコン2台を24時間連続運転させても、月15,000前後でOKで、外断熱の輻射熱効果で、家中の温度差は2℃~3℃以内となり、結露どころか湿気っぽい場所はなくなり、よけいな薬品は必要ありません。
もちろん、換気も熱交換タイプで、寒さが気になり止めてしまう必要などなく、室内はいつもきれいな空気に満たされた空間となります。
建具をつける場合でも、可能な限り引き戸をご提案し、基本的には開放が基本となります。
2階の寝室などには、ドアを設置しますが、出来るだけ開放するような暮らし方を推奨しており、例え閉めていても、温度差がないので隙間風を感じる事はございませんのでご安心ください。
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