2017年12月19日
床暖房について
時期的なこともあって、床暖房についてのお問い合わせが多いのでご説明させていただきます。
寒い冬でも、足元が暖かく快適な床暖房ですが、リビングやダイニングなどの部分的な設置はともかくとして、全館暖房として、家全体に設置する場合は、十分な検討が必要です。
床暖房は、立ち上がりが遅く、部屋が暖まるまで時間を要するために、その使用については、24時間連続運転が基本となり、家の断熱性能や床暖房の種類によって、ランニングコストにも、相当な差が生じます。
全館暖房として計画する場合は、通常床面積の最低80%には、敷設しなければならず、(40坪の住宅であれば約30坪)結構なイニシャルコストが必要となります。
また案外見落としがちなのが、固定資産の評価額も上がり、不動産取得税や固定資産税なども増加することで、例えランニングコストが抑えれたとしても、税金のアップ分もランニングコストとして考慮すると結構なコストになるということも理解したうえでの検討が必要です。
また、季節の変わり目の暖房や、冷房・除湿の為に、エアコンも設置しなければならず、二重のイニシャルコストが必要です。
床暖房で、特に注意しなければならないのが、温度の設定や調整で、特にご年配の方は上手に使いこなせるようになるまでが大変で、省エネで快適に利用しているお客様はそう多くはないのが現状です。
宮城の気候を考えれば、床暖房を利用しての、全館暖房の適した期間は、約3カ月から多くて4か月かと思います。
確かに、断熱・気密性能の高い住宅に設置すれば、ランニングコストも冬期間で5万円位で収まる床暖もありますが、イニシャルコストやメンテナンス費用、税金のアップ分などを考慮すると、全体的なコストパフォーマンスは、決して安くはないというのが、個人的な考えです。
ちなみに、弊社の外断熱やソーラーサーキットの家は、基礎も外断熱ですので、真冬でも床下温度は15℃前後で、床面の表面温度は18℃~20℃となりますので、ほとんど冷たさは感じず、冬期間の暖房費も平均6万円前後(平均温度20℃の場合)で収まります。
また、床を暖めることで、フローリングや接着剤に含まれるVOC(揮発性有機化合物)の揮発に加え、電気式の床暖房などでは、電磁波の影響も考慮しなければならず、目に見えないハウスダストの浮遊も含め、小さいお子さんのいる家庭では注意が必要です。
ご予算に余裕があれば、補助暖房として、一部に使用するのは支障ないと思いますが、全館床暖房のメリットは少なく、正直おススメしておりません。
足元の暖かさが、物足りないという方は、靴下やスリッパで十分で、それでもという方はラグマットを敷いていただいたり、電気カーペットを一部敷いていただいたほうが、経済的でもあり,インテリアとしてもグッドです。
いずれにしても、イニシャルコストやメンテナンス費用・ランニングコストを考慮した上での判断と、上手に使いこなせるかの検討が必要ではないでしょうか。
※ 余計な話かもしれませんが、大雨による洪水などで、浸水などの危険のある土地の低い場所では、設置は控えたほうが無難かと思います。
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