2021年12月21日
建てた後に後悔するのは
上記のグラフは、以前新建ハウジングという業界紙に掲載されていたものですが、新築後の不満や後悔している項目で、圧倒的に多いのが、収納や間取り・寒さや暑さ・結露という項目です。
収納や間取りについては、子どもの成長に伴う、家族構成やライフスタイルの変化・物が捨てられない国民性なども起因していますが、将来に備えた収納量が確保されているかを十分に検討することが重要です。(弊社は外断熱ならではの小屋裏があるので大丈夫。)
そして、寒さや暑さ・湿気や結露などの温熱環境や空気環境は、新築時の性能はもとより、将来の経年による劣化も考慮しなければなりません。
気密や断熱性能の劣化は、目に見えない構造内部(床下・壁の中・小屋裏)で発生する内部結露が発生しやすくなり、年々寒さや暑さなどの不満も募り、光熱費の上昇を招くばかりか、温度差によるヒートショックのリスクも高くなります。
さらに、カビやダニ・害虫などの繁殖を招き、室内の空気を汚し、住む人の健康を阻害したり、土台や構造材など建物そのものの腐朽やシロアリ被害を誘引する原因ともなります。
また、カビ臭さやいやな匂いを解消するために消臭抗菌剤を使用したり、防カビ剤や防虫剤などを多用することで、さらに室内の空気環境は悪化し、負の連鎖を引き起こしてしまうのです。
「居は気を移す」という中国のことわざがありますが、一番長い時間過ごし、一番多く呼吸する住まいの空気環境は、日々の住み心地はもとより、心身の健康にも大きな影響を及ぼすのです。
建てた後の満足度を大きく左右するのが、何と言ってもその家の住む心地です。
人間の老化の原因は、酸化と糖化と言われていますが、建物の老化の原因はズバリ結露や湿気といっても過言ではなく、結露や湿気を防ぐことでアンチエイジングな住まいに近づきます。
将来、後悔しないためには、空気の清浄さや温度・湿度といった空気のバリアフリー化が必要で、気密や断熱・換気や通気性能のバランスのとれた家の性能が将来も維持できる構造になっているかが、非常に重要だということをご理解いただければ幸いです。
- 高橋一夫