2022年1月5日
暖かい家が病を予防する
グラフは、(一社)健康・省エネ住宅を推進する国民会議の調査による約1万人分の断熱改修前と断熱改修後のデータです。
体の冷えは万病のもとというのは、昔から言われていることですが、家の暖かさと健康についてのエビデンスは、これまでなかなかありませんでした。
国民会議では、国交省のスマートウエルネス事業という補助を受け、医学界とも連携し大規模かつ長期的な検証によって、家を暖かくすると、様々な疾患が改善されるというデータが大分揃ってきました。
看護の母「ナイチンゲール」も、空気の汚れと身体の冷えが病の半分を引き起こすと、現代も看護のバイブルとして世界で出版されている150年以上前の著書「看護覚え書」の中で真っ先に説いています。
若い世代の方々には、あまりピンとくる話ではありませんが、体力や免疫が低下するシニア世代の方々にとって、健康に影響が大きいのが、食生活や運動にくわえ、日々暮らす住まいの環境であり、キレイな空気と温度差のない暖かい家で、体を冷やさずに、良質な睡眠をとることが、健康の源になります。
日本の平均寿命は世界一と言われていますが、厚労省によれば、30年後には、男性が87才・女性が94才となり、現在7万人ほどの100才以上の高齢者の数は、53万人を超えるという予測も出されています。
長寿は素晴らしいことですが、寝たきりなどの不健康な長寿は、本人はもとより、ご家族の負担も大きく社会的にもあまり望ましいことではありません。
空気がきれいで温度差のない暖かい家は、寒さや暑さ・湿気や臭い・光熱費にも悩まないストレスフリーの暮らしによって、健康寿命を延ばし60代以降のセカンドステージを色々な意味で豊かにします。
そして、リアルに考えなければならないのが、老後の家計に大きく影響する医療費や介護費・光熱費などの負担です。
貴重な預貯金や年金が医療や介護・無駄な光熱費に出来るだけ費やすことなく、生活が送れれば金銭的なメリット以上に、様々なベネフイットが生まれます。
時代も物の豊かさを求める時代から、心の豊かさを求める時代となり、シニア世代の方は自己実現のために、趣味や娯楽はもとより、カルチャースクールやボランティア・地域活動などの社会貢献に精を出されています。
また、定年延長の議論も進められていますが、何をするにしても体の健康が何より大事なことです。
そして、断熱リフォームにしても、住み替えや建て替えにしても、元気なうちでなければなかなか出来ないということであり、仮に実現したとしても、介護が必要になってからでは、その意義は大分薄れてしまうというのも現実で、病気や介護の予防という観点からもお元気なうちに、住環境の整備は重要なのです。
断熱リフォームや夫婦2人で暮らす住まいを建てたお客様は、こんなに快適で健康に暮らせるならもっと早くすればよかったと言われる方が大半で、皆さんが生き生きと暮らしています。
家が暖かいと早くボケてしまうという方も、たまにいらっしゃいますが、全くの逆で、暖かい家で暮らすことで、活動的にもなり、明るくもなり、アクティブな生活を送れるようになります。
ご近所の方や友人や親せき・子供も孫も遊びにきたくなる「終の住い」は、人との交流も活発となり、健康で豊かに暮らすための確実な自己投資とも言えるのではないでしょうか。
現在は、金利のみの返済でOKなリバースモーゲージローンや35年返済可能な親子承継ローン・親孝行ローンなど様々な融資制度も揃っているので、多額の自己資金を用意しなくても「終の住い」は実現可能な時代となりました。
(一社)健康・省エネ住宅を推進する国民会議のサイトには、健康と住まいに関する様々なデータも紹介されておりますので、ご興味のある方は是非見てみて下さい。
- 高橋一夫