拙著「外断熱が家族を守る」でも紹介している通り、様々な問題を抱える内断熱ではありますが、いい内断熱も当然あります。

一方で、単に外断熱が売りやすいということで、外断熱に安易に取り組むと、内断熱以上の悪影響を及ぼす悪い外断熱も当然あるのです。

つまり、どちらの断熱であっても、基本となるのは、気密・断熱・換気・通気の性能であり、この4つの性能のバランスがしっかりとれているかということです。

住宅関連団体の思惑やこの国の悪しき習慣もあって、オイルショック以降続く、内断熱が主流の住宅業界では、外断熱の急速な普及は正直いって困難です。

もちろん、日本の厳しい気候条件の中で、正しい外断熱がシェアを伸ばしていくことこそが、日本の家づくりには必要不可欠だと常々考えておりますが、私達がいくら声高に叫ぼうとも、断熱の考え方は、そうそう簡単には転換出来ないのが現実です。

しかし、気密・断熱・換気・通気といった重要なポイントさえ、満たした家であれば、内断熱であっても、住環境は大分改善されるということは断言できます。

私は、シックハウス診断士や環境アレルギーアドバイザー・福祉住環境コーディネーターとして、他社で建てられた方々からも多くの相談を受けています。

〇暖かく・涼しいと言ってたのに寒くて暑い

〇すきま風に悩まされる

〇部屋間の温度差が10℃以上もある

〇換気の音がうるさい

〇換気をつけると寒い

〇換気をつけても臭いがこもる

〇省エネと言われたが、光熱費が高い

〇結露がひどい

〇カビに悩まされる

〇子どものアトピーやアレルギーがひどくなった

〇喘息や鼻炎がひどくなった

ご相談の多くは、家の寒さや暑さ・換気や結露・アレルギーやシックハウスなどの問題が大半です。

そして、これらの問題のほとんどが、気密や断熱・換気や通気が起因しており、建てた後ではなかなか改善出来ない問題ばかりです。

しかし、いくら問題か深刻だったにしても、結果的に、瑕疵とか欠陥にはならないのが、悲しいかなこの国の制度で、結局はユーザーの自己責任となってしまい泣き寝入りとなってしまうのです。

私は、地元に生かされている住宅会社の代表として、出来るだけこのような悲劇を生まない様にしなければとの想いから、このブログも投稿を続けている次第です。

ご理解いただきたいのは、どんな性能を兼ね備えた家であっても、家だけ建てて省エネで快適で健康に暮らせるわけではなく、いつまでも地震にも強く、長持ちする住宅にもなりません。

恐縮ではございますが、ユーザー自身も、この4つのポイントがなぜ重要なのか理解し、正しい暮らし方とそれぞれの暮らしにあった工夫をすることも非常に大事なことです。

ご相談いただく中にも、残念ながら間違った暮らし方によって問題が発生しているケースも少なからずあります。

家を建てるにあたって求めるのは、

価格？広さ？間取り？デザイン？インテリア？自然素材？豪華な設備でしょうか？

もちろん、これら一つ一つの要素も大切ではありますが、一番大事なのは、生活にストレスを感じない快適な住み心地であり、家族が健康に暮らせる家の環境ではないでしょうか。

家族の健康こそが幸せの源であり、それを支えるのが、空気の清浄さ・湿度・温度といった室内空気のバリアのない住まいの中での暮らしではないでしょうか。

家中が、綺麗な空気に満たされて、温度差のない住まいは、心身ともにリラックスし、自律神経のバランスがとれ、安眠が叶い、おのずと免疫力が高まり、家族の健康を守ってくれます。

しかし、知らないまま・知らされないままに家を建てると、一番重要なポイントが疎かにされてしまうのが住宅なのです。

何も難しいことはありません。騙されたと思って

「外断熱が家族を守る」を一度じっくりお読みになっていただきたいと思います。

そして、疑問に思ったことは、何なりとご連絡いただければ、どちらで建てようとも対応させていただきます。