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セールストークを鵜呑みにしない!

「冬暖かく・夏涼しい」というトークは

ローコストビルダーから大手のハウスメーカーにいたるまで、多くの住宅会社の営業マンが口を揃えて言うセールストークの一つですが、実際のレベルには雲泥の差があり、建てた後に後悔するユーザーも少なくありません。

下記のグラフは、旭化成建材の調査データですが、家の満足度もさることながら、冬の寒さや夏の暑さといった温熱環境に多くの不満を感じているユーザーが多いのがお分かりいただけると思います。

折角、苦労して建てたマイホームで、冷暖房費が負担となり、寒さや暑さを我慢しているユーザーも多く、寒くて換気を消したり、エアコンでは暖まらずにファンヒーターを使ったり、夏寝室が暑くて、エアコンをかけすぎて体調を崩したり、比較的涼しい一階に寝ているという話を良く聞きます。

こうした住宅は、単に寒い・暑い・光熱費の問題だけではなく、結露やカビが発生しやすく、ダニの繁殖でアレルギーになったり、空気の汚れや身体の冷えで、体調を崩し、風邪やインフルエンザにも罹患しやすくなるのです。

そして、体力や免疫が低下し、血管も弱くなる高齢者の方々は、温度差によるヒートショックの悲しい事故に遭遇する危険性も高くなります。

また、温度差によって、知らない内に、目に見えない構造躯体にも、内部結露が発生し、腐朽や蟻害などで家の耐久性も損なわれ、資産価値も著しく低下するなど、建物の耐久性にも悪影響を及ぼしてしまうということをリアルに考えなくてはなりません。

家の温熱性能や空気性能は、建ててからでは直しようがないということをご理解いただき、中身を見極めた上での家づくりを進めていただきたいと思います。

そこで、建てた後に後悔しないためにも、真っ先に確認しなければならないのが、計画している建物の冷暖房費となり、宮城の気候を考えればまずもって暖房費の確認は必須となります。

「この家の暖房費はいくらかかかりますか?」

と、確認し提示を受けることが大事になってきます。

「暖かさの感覚は個人差もあり、家族構成やライフスタイルも違いますので、一概には言えません。」

という営業マンもいるかも知れませんが、そう言われたらこう言って下さい。

「真冬に、20℃の温度設定で一日中家全体を暖めた場合の暖房費と27℃設定した場合の夏季の冷房費を試算して欲しい」

そして、11月から4月までの暖房費と7月~9月の冷房費を試算していただきたいのです。

家の断熱性能を表す、C値やQ値・Ua値にわかれば、必要なエネルギーに基づいた冷暖房費の試算は簡単に出来ます。

現在、消費者が車を選ぶ基準で一番大きいのは燃費です。

エネルギー価格が、今後さらに上昇していく中で、家も車と同じように、燃費で選ぶ時代に差し掛かってきており、冷暖房費は、近い将来、その家の資産価値を左右する大事な要素になっていくのは確実です。

そして、新築当初のみならず、基本的な断熱性能(燃費性能)が10年後も20年後も、維持できる家かどうかということも、重要な要素となりますので、是非ご理解いただきたいと思います。