2017年10月17日
換気に対しての偏見や誤解?
先日、換気のクレームについて投稿したところ、停電したら窒息しないの?と冗談か本気か???なご質問が届きましたので紹介させていただきます。
答えは、もちろんNOです。どんな高気密住宅であろうとも、潜水艦ではありません。
必ず、換気を設置するために穴は開いており、多少空気はよどみますが、1週間や2週間停電したとしても、窒息することは絶対にありませんのでご安心ください。
私の家は泉区で、震災時には6日間停電しました。
ソーラーサーキットの家に住むと、不思議に空気には敏感になるので、1日1~2回5分位ずつ、窓を開けて換気はしましたが家族6人、元気に暮らしておりました。
2003年に、シックハウス対策として、換気が義務化になりましたが、義務化の前は、換気といえばキッチンやトイレ・洗面だけでOKでしたので、普通の方は、換気への意識がほとんどなかったのもしようがありません。
今でも、高気密・高断熱そして、24時間計画換気という名前を聞いただけで、息苦しくて、機械的なイメージを持たれ、拒否反応を示す方がけっこういらっしゃいます。
陽当たりが良くて、風通しのいい家の方が、ある意味自然ですし、一般のユーザーの皆様がこうした思いを抱くのはごく当然のことと思います。
有名な建築士の先生はもとより、建築業界の中には、未だにこうした考えを持っている方が、多くいらっしゃるのも事実です。
しかし、大変失礼かとは思いますが、こうした方々は、従来の隙間が多い家にお住まいか、もしくは高気密・高断熱もどきの家に住んでいるお知り合いの方から、暖かくないとか光熱費がかかるといった不満をお聞きになっているのではないでしょうか。
おそらく、本物の高気密・高断熱住宅の快適さを体感していないだけで、暮らしが一変するような快適さを実感すれば、そうした考え方は180℃変わることと思います。
日本の家づくりのあり方を一日も早く変えていく為にも、住み心地と家の耐久性を左右する温熱環境や空気環境にも目を向け、気密や断熱に対する考え方をスイッチしていただきたいと心から願っているところでございます。
※ 私自身も、恥ずかしながら20数年前までは、気密なんてそこそこでいい。自然換気が一番なんて言ってました~(笑)
ご理解いただきたいのは、換気システムを付けたからといって、窓を閉めっぱなしにしなければならないということではありません。
何といっても、換気の王様は窓開け換気です。
四季を通じて人が心地よさを感じられる状態の時には、窓を全開にして開放的な暮らしをしたいものです。
実際に、昔の日本では家の中に誰も居なくても平気で窓を全開していたお宅はけっこうありました。
しかし、何かと不用心な現代において、たとえ在宅時にでさえ、気軽に窓を開けられなくなってきているのが現実ではないでしょうか。
しかも、窓開け換気は非常に気まぐれで、日本の気候を考えた場合、天気が良くても風が強かったり、風がほどよくても雨が降っていたりと、気象条件は変化し、人が心地よく感じられる日数や時間帯は全体の1割程度しかなく、ホコリや虫などの侵入や、共働きなどで日中も不在になりがちな生活環境の中で、室内の空気を常に新鮮な状態に保つには、窓開け換気は不向きになってきたのです。
また、花粉や黄砂、最近話題となっているPM2.5の問題もあり、これらの物質を除去した上で綺麗な空気を取り入れる事も必要な時代になってきているのではないでしょうか。
人間が一日で摂取する物質で、家庭内の空気は実に57%にもなるのです。
小さなお子さんやお年寄りはもっと多くの割合で、室内空気を取り入れて暮らしているのです。
目にはみえませんが、家庭内の空気にはおびただしい程の有害な物質が含まれており、これらをなくすことは、現実には不可能です。
ドラッグストアにいくと、様々な消臭剤や芳香剤・防カビ材などが所せましと陳列されています。
これらを使用しても、匂いの元を除去する事は出来ないのです。
カビの増殖やダニに繁殖を抑えるためにも、室内の空気環境は非常に大事なのです。
日々の生活の中で、綺麗な空気に満たされて暮らすことは、様々なストレスを解消し元気に明るく暮らす源です。
大切なご家族の健康を守る第一歩として、換気計画を考えていただきたいと思います。
※ こうした話をすると、家は隙間があるから、自然換気が働くから大丈夫という方もいらっしゃいます。何度か説明しておりますが、隙間換気は室内外の温度差が大きいと換気の作用が働きますが、温度差がなければ、よほど風が強くなければ空気の出入りはなく、ほとんど換気の作用は働きません。つまり、隙間換気が作用するのは、基本的には冬期間や春・秋の外気温が下がった夜間に限られるということをご理解下さい。
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