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ダンプネス(室内の高湿度環境)の弊害を理解する

昨日、宮城県の梅雨入りが発表されましたが、人の健康においても建物の耐久性においても重要なポイントとなる湿気の話をしたいと思います。

ダンプネスという言葉は、あまり馴染みがないと思いますが、健康との関連性が強いということで、大分聞かれるようになりました。

ダンプネスは、1990年代頃から、欧米でよく議論されるようになった問題で、室内の高湿度環境のことを指す言葉です。

ダンプビルとかダンプハウスという表現をする方もおりますが、要は湿っぽくてジメジメしている状態の建物ということになります。

日本には梅雨もあり、私たち日本人は、昔から湿気に対して、ある程度の順応性はあるものの、梅雨から夏の時期は、体調を崩す方も多いと思います。

年々暑さも厳しくなり、もう少しすると熱中症のニュースが連日のように流れます。
特に高齢者の熱中症は、室内で発症するケースが一番多く、これは、暑さばかりでなく湿気の影響も大きいと言われています。

湿度が、70%を越えるようになると、上がれば上がるほど体感温度が上昇し、クールビズで推奨している28℃では、体感温度は、ゆうに30℃を超えてしまうので注意が必要です。

また、微生物や雑菌の活動も活発になり、カビも発生しやすく、カビを餌にするダニも一気に繁殖してしまいます。

こうしたカビやダニが、人の健康や建物の耐久性にも様々な悪影響を与えるのですが、カビの胞子やダニの死骸・フンは、ほとんどのアレルギーに感作し、悪さするので、日々の清掃に加え、換気や除湿を心掛け繁殖を抑えることが重要です。

また、室温や湿度が高くなることで、室内の建材や木材・家具・カーテンや電化製品などに含まている様々な化学物質も揮発されやすくなるということも理解しなければなりません。

こうして、この時期の室内の空気は、知らず知らずのうちに、1,000とも2,000とも言われる実に様々な汚染物質で蔓延されてしまうのです。

昨今のシックハウスは、建材に含まれる化学物質よりも、カビや細菌といった微生物が由来する揮発性有機化合物「MVOC」や消臭剤や防虫剤・柔軟剤によっても引き起こされ、喘息やアトピーなどのアレルギーの発症や悪化を招くということは、明らかになってきています。

しかし、病を発症しても、様々な要因が重なり、原因の特定は困難なことから、薬によって症状を抑えることしか出来ないのが現状です。

薬剤は、基本的に症状を抑えるためのものであり、副作用によって別の病を発症するケースも少なくありません。

医療ジプシーやドクターショッピングと呼ばれるように、病院を何か所も変える患者さんが多いのも、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患です。

結局、もとの原因と思われる要因を一つ一つ取り去ることが重要で、食事も含めた生活習慣を見直したり、住環境を整えて室内の空気質を改善しなければ、なかなか完治することは難しいのではないでしょうか。

ダンプネスをもたらす原因としてあげられるのが

〇 室内外の温度差による結露(床下や壁体内の結露も含む)
〇 過度な冷暖房
〇 換気や除湿不足
〇 洗濯物の室内干し
〇 室内の観葉植物

その他にも、水はけが悪かったり、風通しが悪い立地や、雨漏り・配管などの漏水などが挙げられますが、家の性能と暮らし方を変えるだけで、ダンプネスの状態は、ほとんど解消することか可能です。

問題なのは、家の中の湿度が高くなりすぎると、汚染物質の揮発とカビ臭で、消臭剤や芳香剤が必要となり、虫も寄りやすくなり、防虫剤や殺虫剤を多用したり、洗濯物の乾きも悪くなり、雑菌が繁殖し生渇きの嫌な臭いを抑えるために、必要以上の合成洗剤や柔軟剤を使うようになってしまうのです。

最近、香害が社会問題になりつつありますが、こうした日用品によっても、化学物質過敏症と思われる患者さんが年代問わず急増しており、学校や仕事はもちろん、普通の生活が送れないほど重症の方も少なくありません。

さらに、湿気や結露によって、木材の腐朽菌やシロアリの蟻害を誘発してしまい、家そのものの耐久性も著しく低下してしまうという認識も必要です。

つまり、家のダンプネスは、負の連鎖による様々な悪循環を引き起こしてしまうのです。

家の中を湿らせない・床下や壁の中・小屋裏を湿らせないということが、結果的に家の中の空気をキレイにして、病を予防し、住む人と建物の健康も守ることに繋がると思います。

気密と断熱性能を高め、出来るだけ冷暖房に頼らなくても、家の中の温度差を一定にして、換気や除湿を心がけ、冬期間でも40%前後・夏場でも60%前後に湿度をコントロールすることで、湿気や結露によるダンプネスはほぼ解消するということをご理解いただきたいと思います。

弊社では、ソーラーサーキットの家づくりを通して、空気のバリアフリーを目指し、ストレスフリーの暮らしを実現することで、人・建物・環境にもやさしい未来基準の家づくりに取り組んでいます。

是非、モデルハウスや宿泊展示場で、空気質の違いをご体感ください。