2017年8月9日
省エネ住宅のチェックポイント
前回、家づくりの順序についてをご説明させていただきましたが、何を確認したらいいのですか?というお問合せを数件頂戴しましたので、簡単に紹介させていただきます。
〇 UA値の確認
2020年に義務化となる改正省エネ基準ですが、断熱性能を示す数値が、従来のQ値からUA値に変更になりました。まずは各社のUA値を確認しましょう。但し、UA値は建物ごとに数値は変わります。通常、基準モデルや各社のモデルハウスでの計算値となりますので、注文住宅で建築する場合は、設計図に基づいた計算となりますのでご注意ください。
〇 サッシや玄関ドアのU値(熱貫流率)の確認
省エネ住宅において、サッシや玄関の断熱性能は非常に重要です。開口部の性能が低いとコールドドラフト(寒さによる気流)が生じたり、ガラス面やサッシ枠などに結露が発生する危険性が高まります。
〇 断熱材の種類や厚さ・施工精度
断熱材の種類は非常に多く、性能もまちまちですので、詳細の説明は省略させていただきますが、それぞれの熱伝導率や透湿抵抗などを比較・検討しなければなりません。
また、計算値どうりの性能を発揮するには、確かな断熱施工が何より重要です。
〇C値(相当隙間面積)
窓を閉め切った状態で、家の中の隙間がどれ位あるかを測定した数値です。
高気密・高断熱住宅では、水蒸気の躯体内への侵入を防ぎ、内部結露の発生を防止しなければならず、気密性能は、ある意味、断熱材以上に、重要です。しかしながら、基準はあいまいで、気密検査の測定すら、義務化されておらず、名ばかりの高気密住宅も多いので注意が必要です。
特にエアコンにて、暖房する場合、気密性能の低い住宅の場合、冬期間は温度差換気による隙間風が床下や壁下部より入り込み、不快な寒さに悩まされる危険性が高まりますので、ご注意ください。
※ 気密や断熱が不十分な住宅では、エアコンだけでは暖まらず、間仕切りの戸を閉めたり、換気を消したりして、中には、禁断のファンヒーターを使用するケースも多いようです。水蒸気は断熱の弱い部分へ移動する性質があり、このような家で、洗濯物を室内干しにしたら、もの凄い量の結露が発生し、カビなどにも悩まされるので十分ご注意ください。
また、気密性能が悪いと、換気計画に不具合が生じ、換気のショートカットによる換気不足や冬期間や風の強い日は換気過多を起こします。
※ 隙間換気が作用するのは、温度差のある冬期間だけで、その他の季節はほとんど動きません。
その他、構造材の種類や含水率・換気システムの種類・冷暖房計画や光熱費のシュミレーションなど、確認すべきポイントは多々ありますが、まずは、この4つのポイントをチェックすることが非常に重要です。
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