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『健康で暮らせる住環境も住宅の基本性能』について

今回は、前回同様に少し前のものになりますが、住環境の特に温熱環境が及ぼす

住宅と健康の関係について記事をご紹介します。

 

今までは、省エネルギーやエコホームの考え方は、二酸化炭素の削減やエネルギー

の削減という環境問題からのアプローチが多かったように思われますが、近年では、

健康問題から住環境を考えるという新しい視点が生まれてきてきます。

特にドイツやイギリス、ニュージーランドなどが住宅と健康に関しての研究が進んで

いるようです。我が国では、近畿大学の岩前篤教授などが積極的に研究成果を発表し

ています。


表・1は、改善に役立つ因子を示した表ですが、断熱による温熱環境の改善による

疾病改善率の高いことが示されています。


図・1、2は、脳血管疾患の都道府県別の年齢調整死亡率です。驚くべきことに、東北、

北3県と共に福島、関東4県、高知県、鹿児、島県が突出して多くなっています。

特に鹿児島は、男女ともに多くなっていますが、高知や鹿児島、関東の群馬・茨城

・栃木県の比較的温暖地域の罹患率の高い地域は、温暖な地域で、昔から断熱施工

をあまり重視してこなかった地域です。特に鹿児島は、夏は暑いものの、冬は山地

が多く寒暖の差が激しい地域でもあります。

昔は、脳血管疾患の主要原因は、塩分の取り過ぎと言われてきましたが、秋田県で

は断熱材の導入によって住宅性能が改選されるに従い、罹患率が確実に低下してき

ました。確かに塩分摂取量の改善効果もあったようですが、同じ程度に塩分を摂取

する北海道は、昔から住宅の温熱環境が高く、 脳血管疾患は少ないという特徴があ

ります。
 
この様に医学面からも住宅の温熱環境の重要性が認識されはじめ、家族の健康を守る

ためには、温熱環境の改善が医療費の削減効果と共に一石二鳥であることがわかって

参りました。

厚生労働省の発表では、2008年度の我が国の医療費総額は34兆8034億円で、国民

1人当たり27万2600円の医療費を使っています。

年齢別では65歳以上の医療費は18兆999億円で全体の54・6%を占めています。

2008年度は後期高齢者医療制度の初年度ですが、75歳以上の医療費は10兆9711億円、

65歳未満の15万8900円に対し、65歳以上は67万3400円、70歳以上は76万円、75歳

以上では83万円と高齢者は現役世代の約4~5倍以上の医療費を使用しています。

この医療費を縮小させる手段として考えられているのが高断熱・高気密のエコホームや

既存住宅の断熱改修を行うエコリフォームです。日熱環境の改善で確実に疾病の罹患率

は減ります。