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進まない住宅の断熱

国内の住宅ストックは、約5700万戸ありますが、1999年に制定された「次世代省エネ基準」を満たしている住宅は、わずか5%の300万戸というから驚きです。

毎年、40万戸以上の住宅が新築されているにも関わらず、住まいの断熱が進まない日本ですがなぜでしょう?

様々要因はあるものの、一番大きな要因は、業界に生きる私達の責任ではないでしょうか。

時代も21世紀に入り、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄の時代から、本当にいいものを長く大事に使うストック重視の時代となりました。

省エネで快適に暮らせて、地震にも強く長寿命な住まいは、地球環境はもちろん、住む人の命と健康を守ることで、医療費などの社会保障や介護、年金縮小による老後の不安にいたるまで、現代社会の抱える様々な課題の解決にもつながる非常に意義あることです。

そして 『いつまでも快適でいつまでも強い』 住まいは50年後も価値ある資産として、リバースモーゲージ等での資産活用も図られ、もちろん、子や孫にも財産として引き継げるのです。

これまで、国土の狭い日本では、土地が資産として価値あるものとされてきましたが、少子高齢化による人口減少によって、土地の需要も減少し、将来、商業地などの一部の土地を除き、土地そのものの価値は、低下していくものと思われます。

昨今、社会問題となっている空き家問題ですが、国内には800万戸以上の空き家があるとされておりますが、、リフォームして、再生可能な住宅はわずか20%と言われています。

つまり、他の600万戸にも及ぶ膨大な数の空き家は、売るに売れない・貸すに貸せない、言うなれば資産ではなく負債ともいえる住まいだということもリアルに認識しなければなりません。

これから、新築を計画する方は、見かけのイメージやデザイン・価格に惑わされることなく、耐震性とともに断熱性そして、性能が劣化することなく、保持できる耐久性に優れた住宅を選んでいただきたいとこの資料をみて改めて強く感じた次第です。

参考までに、「次世代省エネ基準」ベースにした省エネ基準が、平成25年に改正され、現在はまだ猶予期間ですが、平成32年に義務化となり、基準に満たない住宅は、原則建築出来なくなります。

そして、この改正省エネ基準でさえ、あまり高いレベルとは言えないのが現実です。

勝手ながら、アドバイスさせていただきますが、新築される際は、名の通ったハウスメーカーであれ、ローコスト住宅であれ、建売住宅であれ、断熱性能は非常に重要で、性能の低い住宅を選択すると、必ず将来、後悔しますので、最低でもUA値0.6・C値は2.0以下の住宅を選択することが重要です。