2023年7月10日
家づくりの大事なチェックポイント
家づくりを成功させるために、まず初めに確認しなければならないチェックポイントについて、改めて紹介させていただきます。
私は、常々、外断熱の優位性についてお伝えしておりますが、外断熱であれ内断熱であれ、次に挙げるポイントを満たすことで、住まいは高性能となり、将来、後悔するような家にはならないと思います。
そのポイントとは、気密や断熱・換気・冷暖房について、依頼先に、次の条件を提示し、確実に実施してもらうだけです。
☆ C値(隙間面積)を測定するための、気密検査の実施(気密工事完了時・竣工時)してもらってください。 寒冷地の基準は2.0ですが、経年変化を考慮し最低でも1.0が必要です。(弊社の平均C値は0.46)
☆Ua値(外皮熱貫流率)の確認をして、 最低でもZEH基準の0.60 w/㎡・kの20%上回る0.48以下の断熱性能を確保してもらって下さい。
☆ Ua値は、あくまで机上の計算値でしかありません。断熱の施工精度の確認のために、 断熱施工時に、すき間やたわみなく、施工出来ているか目視したり、サーモカメラでの断熱施工部の画像を確認してください。
☆ 開口部の種類と性能値を確認し、樹脂トリプル(LOW-E+アルゴン)U値1.6W以下 のサッシを使用してもらってください。
☆ 換気システムの種別を確認してください。未だに仙台圏では、コストの関係もあり、1種よりも3種換気の採用比率が非常に高いのですが、後々、寒さで後悔するのは必至で、宮城のような寒冷地では、第1種熱交換換気が必須となります。
☆冷暖房の種類・容量と配置計画を示してもらってください。省エネ・高性能というからには、エアコンは2台(床面積×50W)あれば十分です。
☆ 冷暖房の連続運転時の部屋別の室温 と冬や夏の冷暖房が必要となる期間に、24時間運転で室内全体を20℃前後(部屋間の温度差を2℃~3℃以内)にした場合の冷暖房費を出してもらうとわかりやすいです。
これらのチェックポイントを確認するだけで、いい加減な対応は出来なくなり、様々ある工種の施工精度もグンと向上し、間違いなく住み心地のいい家に近づきます。
耐震性にしても、目に見えない内部結露を抑えることで、構造の劣化を最小限にして高耐久な住まいが実現するのです。
また、太陽光発電を導入する場合でも、無駄な容量は必要なく、床面積㎡あたり0.5kW前後の設置で、ゼロエネは可能になります。
もっともらしい理由をつけて、受け入れを拒否されるかもしれませんが、そうした造り手を大事な家づくりのパートナーとして選択すると、お客様自身が将来後悔するリスクが高くなってしまいます。
宮城にも、対応可能な造り手はたくさんいますので、大手メーカであれ、どんなに人柄の良い営業マンであっても、デザインが良くて、たとえ価格が予算内でも、候補から外した方が賢明です。
上記に挙げたチェックポイントは、省エネ住宅や健康住宅・高性能住宅というからには、クリアしなければ最低限の条件ともいえます。
そして、これらの条件を満たした上で、次のステップとなる資金計画や間取りプラン・外観や設備・インテリアにと計画を進めれば、お客様の家づくりの成功確率はかなり高いものになるのは、間違いありません。
考えていただきたいのは、予算や大きさから家づくりを検討すると、真っ先に削られてしまう部分が、こうした目に見えない部分になってしまうのが現実です。
マイホームは、一生で一番高い買い物で、住み替えや買い替えは簡単に出来ません。
若いうちは多少の寒さや暑さは、それほど影響は大きくありませんが、体力や免疫が低下する高齢になると、住まいの環境は健康に様々な影響をもたらしてしまいます。
後々、後悔しないためにも、将来をリアルに考えていただき、中身をしっかり見極めた上での家づくりが大切なのです。
- 高橋一夫