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良寛和尚の逸話

<br />江戸後期の禅僧、良寛和尚の逸話を聞く機会がありました。<br /><br />良寛の名声をねたむ一人の船頭がいました。<br /><br />その船頭は、良寛が舟に乗ったとき、<br />川の真ん中でわざと大きく舟を揺らしました。<br /><br />良寛は、川の中に投げ出され溺れますが、<br />船頭を恨むこともなく、運命を甘んじて受け入れ、死に向かいます。<br /><br />その泰然たる様子に、さすがに船頭は良寛を舟に引き上げました。<br /><br />そこで、引き上げられた良寛は、なんと言ったと思いますか?<br /><br />「命を助けてくれてありがとう。<br />あなたは私の命の恩人です。この恩は決して忘れません。」<br />と、手を合わせたというのです。<br /><br />一見、プラス思考のように思えるかもしれません。<br /><br />でも、良寛和尚は、川の中に投げ出されたことを、<br />マイナスにもプラスにも解釈するのではなく、<br /><br />ただ水の中に投げ出されたという事実を受け入れたのです。<br /><br />そして、船頭のその後の人生にとてつもない影響を与えたそうです。<br /><br />良寛は、自分のためにプラス思考で考えたのではないのです。<br /><br />マイナスでもプラスでもない、「ゼロ思考」をすることが出来たのだそうです。<br /><br />「ただ、事実を事実として、受け入れる。」ことができたのです。<br /><br /><br /><br />私は病気にかかるまではプラス思考の人間だと思っていました。<br /><br />この様な病気にかかるとは、夢にも思っていませんでした。<br /><br />「どうして病気になったんだろう。」と、マイナスの気持ちが渦巻いている自分がいました。<br /><br />気持ちがプラスになったり、マイナスになったり、<br /><br />そして今は、事実を事実として受け入れることが大切だと<br /><br /><br />わたしは「病気を事実として、受け入れる。」<br /><br /><br />そうそう、良寛和尚の号は、「大愚」だそうです。<br /><br /><br /><br /><br /><br />