2024年1月23日
その表現、根拠は?
世の中(の広告など)には結構いい加減な表現があります。言ったもん勝ちみたいなのや、キャッチコピー的なのは、何度も聞くうちに刷り込まれて何だか「すごいもの」みたいに感じてしまいます。
一例ですが
■タウリン1000mg・・・多く感じますか?1gって書けば多く感じません。0.001kgって書くと少なく感じます。
■食物繊維レタス◯個分・・・いっぱい入ってるように感じますか?レタスは食物繊維が少ない部類の野菜です。レタスは1.1g/100gで1個300gとすると約3g/個ですが、ごぼうは6.8g/100gで1本150gとすると約10g/本です。
■コレステロールゼロ・・・最近サラダ油や胡麻油にもこの表記があります。マヨネーズならわかりますが、食物油には元々コレステロールはありません。元々ないから含有ゼロって!?
ところで、住宅も同じです。
■高気密高断熱・・・断熱性能はUa値という性能を表す数字があり、宮城だと断熱等級ごとに基準値(※)があります。気密性能もC値という測定値があるのですが、測定義務も基準もありません。測定しないで気密性能は語れないのですが、高気密ですよ、と言われても(汗)
(※)断熱等級4:0.75以下、断熱等級5:0.60以下(長期優良住宅基準)、断熱等級6:0.34以下
■エアコン一台で◯◯・・・「寒い」「暖かい」「涼しい」は人の感覚です。エアコン一台で家全体を賄うにしても、外が何℃で何坪の家を何℃キープなのか、暖めるのはリビングだけか、条件によって全く異なります。断熱性能からシミュレーションできますが、この通りになるかどうかは気密性能で全く結果が違ってきます。
■ZEH住宅で省エネ・・・「省エネ」という言葉も基準がありません。電気代だけだとテレビやドライヤーなどの家電使用状況や家族構成で大きく変わります。車の燃費表示のようなものが住宅にもあればいいと思いますが、たぶん業界大手はやりたがらないんですよね。
ということで、展示場をご覧になる際は、是非根拠を聞いてみてください。
- 加納貴志