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身近に広がるイソシアネート汚染

日本のアレルギー疾患の臨床研究の第一人者でもある多賀城の角田先生の、日本臨床環境医学会でのイソシアネートに関する発表内容をシェアさせていただきます。

イソシアネートについては、何度か紹介していますが、香り付柔軟剤や洗剤・消臭スプレーなどの香りや臭いを包み込むマイクロカプセルの主原料で、柔軟剤のボトルキャップ1杯の中に1億ものマイクロカプセルが入っているというから驚きです。

香害による化学物質過敏症患者の増加が社会問題になりつつありますが、香料もさることながら、このマイクロカプセルが、はじけた後の残渣に含まれるイソシアネートやマイクロプラスチックによる人体や環境への影響が、世界中で問題視されています。

イソシアネートはポリウレタンの主原料でもあり、タイヤやマットレス・アスファルトや防水工事など様々な製品に使われていますが、最近では、新築の吹付断熱にも使われるようになっています。

何が問題かというと、イソシアネートは、ウレタン素材の成型品であれば、問題は、少ないのですが、建築現場では水と混ぜて発泡させるので、固まりきらずにモノマーとして揮発してしまうのです。

さらに、高温多湿になりやすい壁体内では、湿気や熱によって分解されたり、地震時の割れなどで、室内空気に影響を与えてしまう恐れがあるということになります。

しかし、業界では、危険性の認識は乏しく、ホルムアルデヒドを含まない安心な断熱で、隙間なく施工出来るとして使用されているのです。

角田先生に、確認したところ、高気密・高断熱+ウレタン断熱に換気不足が重なると、最悪の組み合わせだということでした。

角田先生の病院では、マイクロカプセルによる健康被害を考慮し、イソシアネートのige値の検査を取り入れたようですが、322名中35名の方が陽性反応を示し、91名の方に0.1以上のige値の反応があったそうです。

これまで、イソシアネートは職業病的な要素が強かったのですが、イソシアネート汚染は、確実に一般の家庭にも確実に広がっているようです。

イソシアネートは、塗料などに使われるトルエンの1万倍の毒性とも言われていますので、出来るだけ暴露を控えるのが賢明ですので、くれぐれもご注意ください。

以下、FBの記事を転載させていただきますので、是非ご覧下さい。

—猛毒物質イソシアネート(ウレタン樹脂やウレタン塗料の原料)汚染が広がっている—
2019年6月23日、東京の北里大学で行われた日本臨床環境医学会でイソシアネートに関する発表を行ってきました。その速報です。
イソシアネート汚染が広がっており、環境中のイソシアネートにアレルギーを起こしている人が増えています。ウレタン樹脂を扱う労働者以外で、一般の多くの人でIgEが陽性になったという報告はいまだ世界中でありません。イソシアネート対策が遅れている日本だけの状況かもしれません。
過去には多くの労働者でイソシアネートIgEは陽性になりましたが、現在は81名中2名など、数パーセントとなっています。今回の調査で判明した陽性率は10.9%で異常な高さです。イソシアネートによる健康被害は労働者の問題から一般の人たちの環境問題になりつつあります。
イソシアネートは猛毒物質であり、皮膚、粘膜を損傷し、神経系を刺激します。発癌性もあります。微量でも人を傷つけますが一旦アレルギーを起こすとさらに微量でも激しいアレルギーが起きます。IgEの値を上昇させ、アレルギー症状を悪化させます。ポリウレタンとして柔軟仕上げ剤(マイクロカプセルの壁材として使用)だけでなく、無香料の防臭スプレー(マイクロカプセルの壁材として使用)や伸びる衣類(ポリウレタン)など多くの身の回りのものにも使われています。厳格な対策が必要です。
アレルギーのひとたちは敏感に環境中の毒物(化学物質)を感じ取り、危険を教えてくれます。

以下は発表の抄録です(内容を発表時の内容に変更しています)。発表時は322名の人たちの結果を発表しました。
—-環境中のイソシアネートに対する感作状態

トルエンジイソシアネート(TDI)IgE値の状況
○ 角田和彦 かくたこども&アレルギークリニック

イソシアネートは経気道、経皮に感作され、いったん感作されると極微量でも症状が誘発される。現在では、柔軟仕上げ剤に含まれる香料などの効果持続を高めるためのマイクロカプセルの壁材(ウレタン樹脂)として使われる。
マイクロカプセルから揮発するイソシアネートによって病状が悪化している可能性を考慮し、2019年1月からTDIIgEをアレルギー検査のルーチンの検査項目として導入した。症例0歳80歳代まで、322名。
TDIIgEは広い年齢層で値が上がっていた。TDIIgE陽性(>0.34IU/mL)者は10.9%であった。さらにTDIIgEが0.1以上の例が28.3%おり、今後感作が進む可能性がある。
TDIIgE値はアトピー性皮膚炎例で上昇、重症例で値が高くなった。イソシアネートIgE値は総IgE値に相関係数0.86で強く相関していた。TDIに対する経皮的な感作が起こっており、TDIは総IgEの上昇、アトピー性皮膚炎の悪化に関与していると考えられる。
また、当院では初診後に強い香料含有製品はやめてもらっているが、長期(1-10年以上)にわたって柔軟仕上げ剤を使っていない例でもTDIIgEは上昇していた。これは柔軟仕上げ剤以外、また自宅外での感作を示唆する。
労災疾病臨床研究事業化学物質特異的IgGのアレルギー診断と曝露モニタリングへの有用性に関する調査-平成26年度報告書の中で、鹿児島県の一般住民(N=191)中TDI IgE 抗体陽性者は0 人で、この時期に一般住民での感作はあまり起きていないと考えられた。
これらの結果から、イソシアネートによる環境汚染は確実に日常生活のなかで広がっており、公共の場所での感作が進んでいると思われた。イソシアネートによる汚染の悪化は健康被害を誘発する可能性があり対策が必要と思われた。