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(天声人語)冬の風呂に潜む危険

朝日新聞の天声人語の「冬の風呂に潜む危険」をシェアさせていただきます。

 「幸せ」と書いたら少々大げさになる。熱いお酒と風呂を冬の夜の「シアワセ」とする方は多かろう。燗(かん)をつけた酒が、胃の腑(ふ)の形がわかるように下りていく一口目の陶酔。湯の中で手足の先まで生き返る快感。四季というのはありがたく、寒さあってのシアワセといえる▼さて、お酒の話はまたの日として、日本人は湯が好きだ。過去の記事を眺めると、長い仕事のあとの一言に「温泉にでもつかりたい」が目立つ。宇宙飛行士、イラク派遣の自衛官、シーズンを終えたプロ野球選手――。家庭でも一日の疲れを湯でいやす▼そんなシアワセを暗転させる事故が後を絶たない。いわゆるヒートショックに関連した入浴中の急死は、年間に推計1万7千人にのぼるというから驚く▼寒い脱衣所で血圧が上がり、湯に入ると血管が開いて血圧が下がる。急な血圧の上下で心停止などが起きるという。多くは高齢者だが若い人も油断できない。12月から1月に多く、湯の恋しい季節ほど危ない▼名高い日本文化論『菊と刀』で、米国人ルース・ベネディクトが日本人の入浴について書いていた。「温かさとくつろぎの楽しみに身をゆだね……一種の受動的な耽溺(たんでき)の芸術としての価値を置いている」とは、言い得て妙だ▼きょうは二十四節気の大寒。寒さの最も厳しい時候、どうぞ老いも若きも注意して「耽溺の芸術」に心身を養われたい。言わずもがなだが酒を飲んでの風呂は危険が増す。シアワセはどちらか一つ、と心得るのが無難である。

こうした悲惨な事故にあう危険性は、血管が弱くなってくる高齢者の方に特に多いのですが,ご自身やご家族も含め、人間誰もが必ず年を重ねていく事をリアルに考えていく事も必要です。

小さなエネルギーで、家のすみずみまで暖かい家。

バリアフリー住宅といえば、段差のない家が一般的ですが、

家の中の温度差のない、真のバリアフリー住宅が住む人の健康と命を守るのです。