2010年11月18日
【グラスウールの欠品】という珍現象
断熱材と言えば、誰でも分かるほど圧倒的なシェアを誇っていたグラスウールですが、住宅の外断熱化の流れと、プラスチック系断熱材や他の高性能な繊維系断熱材の台等もあって年々出荷数が減少していた。しかし、今年に入りまた出荷が伸び、ついには夏ごろから欠品が相次ぎ、いまでは発注しても2,3ヶ月は納期がかかり工事の遅延が続出しているというから驚きだ。原因は住宅エコポイント・長期優良住宅・フラット35の金利優遇などの制度に伴い、グラスウールの消費が一気に増え、需要に生産が追いつかないという話。エコポイント・長期優良住宅・フラットの金利優遇・いずれにしても、適用を受けるには、住宅の断熱性能の強化は必須事項。そこで、手っ取り早くしかも安価で対応できる断熱材として、造り手に重宝される断熱材は必然的にグラスウールという事になる。つまり、お客様の要望というよりは、造り手側が出来るだけコストをかけずして計算上のQ値を下げる為に、グラスウールを使用しているケースが多く見られるので、注意が必要だ。時代が求める本物のエコ住宅とは単に見かけだけのCO2削減を図る事ではなくいつまでも快適で省エネで健康な暮らしを実現し、いつまでも地震にも強く、建替えによる環境や費用面での負担を大幅に軽減し、建物の長寿命化を図り、子や孫の世代にも資産として引き継げる家の事。その為には、気密・断熱・通気・換気・冷暖房が一体となった家造りが必要であり、計算上の熱抵抗値を上げる為に断熱材の性能を上げただけでは絶対に実現する事はないばかりか、逆に内部結露による、腐朽菌・シロアリなどの被害によって、短命化の道をたどってしまうという事を理解しなければならない目に見えない部分だけに、最近、あまり語られる部分ではありませんが、本当にいい家をつくるという意味においては、価格や設備・デザインや間取り以上に一番大事な部分ですので、基本的な事を理解してから、家造りを始めて欲しい。